事業継続 起業の成功確率と存続の秘訣とは? 長寿企業の特徴

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事業継続は、たゆまない経営努力が重要です。起業した事業の生存年数率は1年で40%、5年で15%、10年で6%、20年で0.3%、30年で0.02%と言われています。この数字の検証します。ビジネスを永続させる秘訣を探るために、地政学の観点から長寿企業の研究をします。

起業の成功確率

生存年数率(1年で40%~)はネット情報ですが、根拠となる公的なデータはありません。おそらく個人事業主、副業レベルの開業も含まれた数字と思われます。

下記グラフの中小企業白書によると、起業後の生存率は1年後95.3%と先ほどの40%と比べかなり差があります。

出典:中小企業庁HP 中小企業白書2017年版

理由の一つとして考えられるのは、起業の定義によるものです。中小企業白書のデータは、帝国データバンクが根拠となっています。帝国データバンクは、信用調査依頼のあった企業に対してデータを収集します。つまり、調査依頼するレベルの企業から取引を検討されている企業といえば、起業でもそれなりのステージにある段階です

下記「雇用保険事業年報」によると廃業率は全業種平均で3.5%です。これは、継続事業も含めた数字であるために、新規開業した事業の廃業率はより高いことが推察されます。

業種によってもばらつきがあります。宿泊業、飲食、サービス業は開業、廃業率ともに高く、製造業は逆に、開業、廃業率が低い業種であるといえます。飲食店は、比較的参入しやすい業種です。比べ製造業は、新規参入が難しい業種です。参入が比較的容易な業種は、廃業率が高い傾向にあります。

近々では、新型コロナウイルスの影響で飲食店、宿泊業は特に厳しい状況にあります。調査会社東京商工リサーチが2020年12月1日~12月9日に実施した「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」によると飲食業3割以上が廃業を検討しているとの回答です。

出典:東京商工リサーチ

事業継続について

廃業率について検証していきましたが、次は事業継続について見ていきます。日本は長寿企業国です。2位の米国に比べても圧倒的に長寿企業が多いです。

参照:周年事業ラボ ホームページ

地政学からみる長寿企業

日本が長寿企業が多い理由として挙げられるのは、まず地政学です。

絶えず異民族の侵攻にさらされていた欧米や、中国に比べ、狩猟民族より農耕民族の色が濃く、先祖代々の田畑などを受け継ぎ、次世代につなぐことが重視されました。

四季の変化にとんだ気候は、きめの細かい職人芸を生む感性となり、技術の伝承を重視する土壌をつくり出しました。

日本海があったため、征服する、されるではなく、異国から渡ってきたものに対して、ゆっくり受け入れることができました。例えば、万の神(よろずのかみ)という言葉の通り、仏教をはじめとしてあらゆる神様を受けいれてきました。

山が多い国土であるため、分断される一方、地域社会のつながりが強く、共栄共存の精神を培いました。以上のことにより、社会性重視の長寿企業を生み出すこととなったのです。

長寿企業の特徴

長く続いている企業に特徴ついては、様々な文献で研究されています。以下は抜粋です。

1.「各代ごとに必ず新しいことを一つやれ」と伝えられている長寿企業もあります。「不易と流行を合わせ持っている」変わらない普遍的な、価値観を持ちつつも、時代にあわせた変革を行っています。

2.「明確な使命やビジョンを持っている」「独自の使命が明確に言語化されている」使命、経営理念や行動規範など表現され方は様々です。事業の目的、失ってはならない強み、心がけなどが次世代に伝えられています。

3.「業界の常識にとらわれない発想を持つ」既得権益にあぐらをかかないところです。常に挑戦者であれという精神です。

4.「人間経営」「社員を大切にしている」社員教育に熱心に取り組み、長期的視点から人材採用、育成、登用が行われています。

5.「社会性」「世の中・地域への貢献を実践している」世の中に役立つことを通じて、支持され愛されることです。地域社会とのつながりは、顧客、仕入、人材採用とあらゆる面で、事業継続にとって重要です。

6.「リスクに備えている」事前に備えることによって、非常事態にも素早く対応策をとり、被害を最小限に抑えることができます

7.「成長意欲が高く、学び続けている」人も企業も、いつまでも学びの心が大切です。

8.「事業を長期的視点に立って経営している」サービス、商品の質を長期間にわたって落とさないことによって、のれん(ブランド)を長期にわたって守ります

9.「顧客志向」短期的な利益を追求するのではなく、顧客の存在があってこそ事業は持続するという考えです。

10.「質素倹約」は質素な生活の励行と、倹約の勧めです。お金を貯めこむ吝嗇ではなく、無駄は省くが、使うべきところは大胆に投資します。

参考文献

「創業300年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか」グロービス経営大学院 田久保善彦/東洋経済新報社 「新日本永代蔵―企業永続の法則―」 舩橋晴雄/日経BP社

上記は、三方よしという言葉でも表現されています。目新しいものではありませんが、起業したあと事業を継続させるために、非常に重要な道しるべとなります。

起業を成功させるために

事業を継続させる要因について見てきました。起業を成功させるためには、事業ステージを意識することが大事です。ゼロから立ち上げることは、1から10に伸ばすことと違った難しさがあります。

まず、信用です。選んでいただくためには、会社員であった時代の実績を活用するのが近道です。実績がなければ、競合には見当たらない付加価値など、目新しさが大事です。

起業直後は、資金繰りが優先です。入金管理をしっかり行い、人件費、家賃などの固定費と、資金繰りの予測を立てておきます。資金管理にめどが立った次のステージから、長寿企業を道しるべとし短期的な利益に走らないことです。顧客への付加価値と満足度を向上させる仕組みを構築することによって、継続した繁栄を得るようにします。

人材採用育成には、中長期的な視点をもつことです。先行している競合会社は、時間の経過とともに、経営者や従業員にノウハウが蓄積されています。長期的な競争に負けないためには、長い目での人材育成と強みの磨き上げが重要です。

時代にあわせて、新しいことに取り組む挑戦は大事です。一方では、リスク管理もしっかり行う必要があります。3年間などの期間を決めて、致命傷を負わないように勇気をもって撤退する基準も持っておくべきです。たとえ失敗してもそれは成功のためのプロセスです。やり直せばよいのですから。

プロフィール
顧客志向研究所
顧客志向経営研究所

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士です。
上場企業経営者から、中小企業、個人事業主に至るまで、数百の経営者の相談業務、ファシリテーション、社員教育の実績
中立的な立場で、課題解決に役に立つ情報提供を行うことを理念としてます。

そのほかの主な経歴
・外資系生命保険株式会社に在籍し、顧客課題のヒアリングから法人契約営業近畿地区2位(キングオブキングス賞)
MDRT(全世界74か国生命保険営業上位1%の成績基準達成)

・上場直前ベンチャー企業にて採用人事企画の経験

・上場コンサルティング会社での営業経験

・経営改善計画の策定経験(信用保証協会 バンクミーティング)
営業人材育成・人事分野から事業計画策定を得意としています。

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