自分のための生命保険(障害状態と老後の備え)

資産形成 上流社会 

必要保障額は、遺族のための考え方です。自分のための生命保険を考えてみます。主に二つあります。自分が障害状態になり、働けなくなったときの保険と、老後の備えです、

障害状態の備え(働けなくなった場合)

障害年金・労災保険・損害保険

自分自身が、病気や事故で障害状態になった場合を考えてみます。公的な保障としては障害年金があります。障害の程度によって給付額に差があります。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html

業務中の事故であれば、公的な保障である労災保険です。給付には、労災認定が必要です。通勤中の事故であれば、通勤災害保険です。会社に届け出た通勤ルート中の事故が要件です。

労災保険は従業員を対象にしていますが、事業主、役員、経営者も特別加入制度があります。

障害状態になった事由が病気ではなく事故の場合は、損害保険からの給付が考えられるケースです。損害保険は自動車保険、火災保険などがあります。家族特約もあるので、一度内容を確認してみるとよいでしょう。

生前に受け取れる生命保険金

生命保険の死亡保障には、一定の要件の高度障害になった場合に、死亡保険金が受け取れます。要件については、各保険会社が配布する約款に明細が書かれています。

死亡保険にはリビングニーズ特約を付加できる場合があります。余命半年を宣告されたときに、生命保険の一部を受け取れます。

通常の医療保険も自分のための保険といえます。医療保険はそれほど多額の給付はありませんが、特定の疾患(がんなどの成人病)になったり介護状態になったりした場合、多額の保険金が給付される保険があります。保険金額が大きいと掛け捨てになる保険料も上がりますのでバランスが重要です。

高額療養費

医療費については、まず高額療養費の自己負担限度額を利用しましょう。月額医療費の上限(所得によって差がある)を超えた金額が、申請することによって返金される制度です。

高額療養費制度を利用される皆さまへ
高額療養費制度を利用される皆さまへについて紹介しています。

保険適用外の医療については、高額療養費の自己負担限度額は適用されません。任意の治療となります。

先進医療に該当する治療行為であれば、定められた病院で受ける治療は特約によってカバーできるケースはあります。保険適用外の医療の中で、先進医療に該当するケースはさほど多くありません。

老後の備え

老後の生活費(消費支出)はどのくらい準備すればよいのでしょうか。

総務省 統計局 家計調査年報を調べてみました。

総務省 統計局 家計調査年報 2019年 60歳以上2人以上の無職世帯を加工

60歳以上の2人以上の無職世帯の統計によると、公的年金の給付額が20万前後に対し、消費支出は24万~22万と若干赤字となっております。これに、非消費支出(税金、社会保険料など)も加わります。老後は預貯金など金融資産を取り崩している実態が見えます。

単身無職世帯ではどうでしょうか。

総務省 統計局 2019年 60歳以上単身無職世帯を加工

単身世帯は統計の都合上、公的年金収入及び非消費支出は掲載されていません。年金給付は単身分のみであることを考えると、年金だけでは十分だといえない家計の実態が見えます。

では公的な年金はどのくらい支給されるのでしょうか。

厚生年金保険 平均年金月額

出典:厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況

厚生年金は、平均報酬月額や被保険者期間によっても支給額は変動します。

年金定期便で現在の受給見込み額がわかります。

また、ねんきんネットに登録すれば、将来にわたってもらえる受給額のシミュレーションができます。

https://www.nenkin.go.jp/n_net/

国民年金保険 平均年金月額

出典:厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況

国民年金も、保険料納付期間によって受給金額は変動します。厚生年金に比べても、老後の資金としては十分とは言えません。個人事業主がなかなか老後も引退できない理由の一つになっています。

退職金

会社員の場合、勤め先に退職金制度がある場合、退職金が老後の資金として使えます。

経営者や役員の場合は、株主総会の議決によって、役員退職金を支給することができます。個人事業主には、退職金はありません。

退職金は、勤務年数に応じてある退職所得控除、1/2の所得税、分離課税など税金面で非常に優遇されています。また給与・賞与と違い、社会保険料も控除されません。詳しくは下記投稿をご参考ください。

老後の備えの生命保険

老後の備えの生命保険としては、大まかに3つあります。

終身保険

死亡保険をかけながら、老後の資金をためる保険です。通常は、保険料支払い期間中の解約は、支払保険料総額に対して、解約返戻金(保険契約解約時に戻ってくる現金)は、100%以下になります。

終身保険

終身保険は掛け捨てではない分、死亡保険金額に対する保険料は、割高になります。

早期の解約は損することが多いですが、長期的な資産形成と、死亡保障を兼ねることができる保険です。

遺族への生活保障の資金、亡くなるまでの医療費、身元整理のための費用、葬儀代準備に活用できる保険です。

そのほか保険料払込期間を働いている間(60歳もしくは65歳)にしておき、必要保障が減る引退後に解約して、老後の生活資金にすることもできます。

年金保険、学資保険

死亡保障は基本的にはついていません。ただし、途中での解約や死亡の際は、支払い保険料の一定割合は返金されます。税制適格年金(保険料支払い期間10年以上、60歳以降受取など)であれば、所得控除の対象になり節税ができます。

年金保険

年金保険の変形に、学資保険があります。子供に学資が必要な時期に受け取れる形で設計できます。保険料払い込み免除特約とつけることによって、被保険者の万一の際に、保険料が免除されます。

養老保険

死亡保障と、資産形成ができる保険です。終身保険と似ていますが、保障は満期で終わり、満期金を受け取ります。死亡保障に対する保険料は、終身保険より割高になります。

養老保険

養老保険の満期を引退時期に設定しておけば、老後の資金として活用できます。また、満期を子供の大学入学時期に合わせて、学資保険として活用することもできます。

老後の備えに向いてない保険

定期保険

保険料に対して大きな保障が得られます。解約返戻金がほとんどないため老後の備えの保険としては向いていません。死亡や特定疾病の保障が大きい契約は、定期保険が多いです。

定期保険

注意が必要なのは、保険の名前が終身保険であっても、保険料や保障のほとんどが定期保険であるケースがあります。終身保険の特約として、定期保険がついている形ですが、終身保険部分がわずかなため、このようなことが起こります。この場合、保障を継続させるためには、定期的に保険料がアップすることが多く、老後の備えの資金もほとんど貯まりません。

注:定期保険は通常、解約返戻金はほとんどありませんが、定期期間が長く設計された一部の保険(主に法人用)には、解約返戻金の割合が高い契約もあります。

収入保障保険

保険期間経過とともに、保険金額が減るタイプの定期保険です。解約返戻金はほとんどありません。年齢が上がると通常必要保障額が減りますので、合理的な保険といえます。

ただし年齢が上がっても、扶養者が増えると必要保障額が増える場合もあります。

収入保障保険

生命保険会社と加入先の選択

以上のことを踏まえて、保険加入や保険の見直しを行うときに、どの生命保険会社が良いのか、だれから加入すればよいのかの選択があります。

生命保険会社の選択

保険契約は長期にわたるものが多いです。保険契約の途中で保険会社が破綻した場合、保険金や解約返戻金が減額されたり、保障が継続できなかったりします。

このサイトでは、特定の生命保険会社の推奨は行いません。保険会社の判断基準を書きます。

ソルベンシーマージン比率

ソルベンシー・マージン比率は、保険会社の健全性を示す指標です。保険業法で定められています。法令の中では、「保険会社の保険金等の支払能力の充実の状況」を示す比率です。単純に言えば「保険金の支払い余力」と考えてよいでしょう。

ソルベンシーマージン比率は高いほど、健全とみなされます。200%を下回った場合は、原則として金融庁から監督上の措置(早期是正措置)をとることとなっています。

過去に、200%以上あっても破綻した生命保険会社があったので、200%超えているから絶対に安全とは言えません。

格付け

格付けとは、専門の格付け機関(複数ある)が、保険会社の債務履行能力を評価したものです。財務内容や組織の沿革、事業内容の分析、関係各所へのヒアリングを通じて行われます。

生命保険加入先の選択

生命保険を加入する方法は様々です。

保険の営業

職場や人の紹介で加入する場合は、保険の営業から加入することが多いです。選択のポイントは、4つあります

①公的な保障も踏まえて提案してくれる。

②不利な情報も説明してくれる。

③時には、加入しない選択肢も提示してくれる。

④MDRT(全世界74か国上位1%の成績基準達成者)である。

①、②、③については、自分の成績を優先する営業からは、よい提案が受けられない可能性がありますので、少し引いた感じて商談相手の都合を優先し、しっかり話を聞いてくれる営業が良いでしょう。

②の補足ですが、保険の見直しの際は、以前加入していた保険を解約することがあります。生命保険の多くは、途中解約は不利なことが多いです、例えば、年齢が上がることによる保険料アップや、解約する契約の返戻金が少ないなどです。保険契約の乗り換えによる不利益も、しっかり説明してくれる保険の営業は、信頼できるのではないでしょうか。

④については、成績が良いからと言ってよい保険の営業とは限りませんので、必須ではありません。(筆者もMDRT達成者ですが)保険営業は紹介が最も大事です。紹介者が出ないとMDRT達成は困難なので、紹介される営業という評価はできます。

保険の営業は離職率が高いのですが、MDRT達成者となる離職する確率は減ります。なお、加入した営業が離職しても、コールセンターでほとんどのことは対応してくれます。

来店ショップ型からの加入

複数の保険会社の比較が行えます。希望すれば必要保障額のシミュレーションも行ってくれるでしょう。保険の提案の質は担当者次第です。基本的には担当者を選べないので、自分に合わないと感じたら別の店舗にいきましょう。

ネットからの加入

自分のペースで保険を選択できます。一方では、専門家のアドバイスは受けられませんので、しっかり調べることが大事です。ネット専業の生命保険は割安だという話を聞きますが、私の知っている限りではさほど感じません。営業担当の人件費はいらないかもしれませんが、その分広告宣伝費はかけています。

公的な保障については下記投稿をご参考ください

公的な保障と生命保険について
勧められるままに生命保険に加入するのではなく、公的な保障を踏まえて無駄なく、自分に合った保険を選択するポイントについてお伝えします。

必要保障額については下記投稿をご参考ください

いざというときの必要保障額の考え方
生命保険の見直しにあたって、自分にどのくらいの保障が必要なのかを検討します。必要保障額(生命保険の被保険者が必要な死亡保険金額)は、被保険者の環境によって違います。また遺族にどのくらい残したいのか、必要なのか、生活水準をどうするのかといった価値観や夫婦間の話し合いも重要な要素です。

プロフィール
顧客志向研究所
顧客志向経営研究所

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士です。
上場企業経営者から、中小企業、個人事業主に至るまで、数百の経営者の相談業務、ファシリテーション、社員教育の実績があります。
中立的な立場で、課題解決に役に立つ情報提供を行うことを理念としてます。

そのほかの主な経歴
・外資系生命保険株式会社に在籍し、顧客課題のヒアリングから法人契約営業近畿地区2位(キングオブキングス賞)

・MDRT(全世界74か国生命保険営業上位1%の成績基準達成)

・上場直前ベンチャー企業にて採用人事企画の経験

・上場コンサルティング会社での営業経験

・経営改善計画の策定経験(信用保証協会 バンクミーティング)

営業人材育成・人事分野から事業計画策定を得意としています。

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