人材採用のポイント(新卒採用と中途採用)

人事 キャリア

人材の採用がうまくいかないと、企業に様々な悪影響を及ぼします。

入社した社員が定着化しないため、新規採用コストがかさむ。退職者の引継ぎが不十分で、後任に負担がかかる。社員が育たなくて戦力化しない。問題社員がいて処遇に困る。

この記事は、人材採用にまつわる様々な問題の原因と対策について記載します。

人材戦略の実績について

これまで私は人事制度改革を、自社の担当者として導入したことがあります。

その企業は上場前のベンチャー企業でしたが、現在は東証一部上場企業です。

その他、人事制度を人事コンサルタントとして、多くの企業を支援してきました。

人材採用についても何百人も面接してきましたし、その後の人材の活躍度合いも目の当たりにしてきました。

以上の経験と知見から、人材にかかわる問題について書きます。

人材採用方法の見直し

特に求人難の企業においては、安易に人材を採用しがちです。

よく言われるのが、「人材は一緒に働いてみないとわからない」です。ある一面、そうかもしれません。

しかしだからといって、採用面接をいい加減にしていい理由にはなりません。採用人材のアンマッチは、企業側だけでなく、採用された人材のキャリアや人生にとっても悪影響となります。

しっかり採用面接を行い、人材の見きわめができている企業も存在しています。

人材採用のタイミング

多くの企業は、自己都合退職などの人員の欠員による採用を行います。

しかし、人材の付加価値が高い企業、専門性の高い企業ほど、欠員人材の補充は困難です。

好景気による人材拡充の場合は、売り手市場のため、人材の採用は難しくなります。

人材戦略に優れた企業は、不景気であり、買い手市場の時に人材採用を拡大します。

景気にはサイクルがあります。不景気の際に人材を確保して、教育を行い好景気時に戦力化をおこなうのです。

不景気に採用を行うのは、しっかりした事業計画と人材戦略の策定が必要ですが、持続する優れた企業の強みとなります。

人材採用ルートについて

採用には様々なルートがあります。それぞれのメリットとデメリットを記載します。

縁故採用、直接スカウト

経営者、取引先や従業員の知り合い、地域コミュニティから人材を独自にスカウトします。

縁故採用、直接スカウトのメリット

紹介者を通じて採用を検討している人材の評判を、事前に知ることができます。

時間をかけて、候補者との相性を検討することができます。

採用広告費をかけずに、採用を行うことができます。条件によっては高いのスキルや能力を持った人材を採用することができます。

縁故、直接採用のデメリット

入社後、特別待遇を行うことによる不公平感のもとになることがあります。

採用にあたって、普段からの候補者の探索、候補者についての情報収集や、紹介者、候補者へのアプローチなど手間がかかります。

新卒採用

学校卒業予定者の採用です。

新卒採用のメリット

ほかに職歴がないので、新鮮な気持ちで仕事に取り組みます。思い込みが少ないので、教育がしやすいです。潜在能力の高い人材を採用することができます。

会社に忠誠心の高い人材の育成ができます。社内の年齢、役職構成のバランスが取れやすいです。

新卒採用のデメリット

基礎的なビジネスマナーから教育を行う必要があります。

新卒採用広告、採用担当による学校訪問など採用コストが必要になります。

ハローワーク

公的機関であるハローワークによる採用です。

ハローワークのメリット

無料で活用できることです。採用促進のための各種の助成金があります。地域ごとにあり、近場の人材を採用しやすいです。比較的すぐに人材採用が行えます。

ハローワークのデメリット

高いスキルを持った市場性のある人材は、なかなか採用できません。

なんらかの事情でほかの企業であわなかった、人材の応募が比較的多くあります。

求人広告

インターネット、求人誌など様々な種類の求人媒体に募集をかけます。

求人広告のメリット

求人媒体を選定することで、ターゲット(地域、職種、職位)に絞った採用広告が行えます。

求人広告のデメリット

採用広告費用がかかります。求人媒体選定や、会社の魅力的な見せ方など、採用担当にノウハウが必要です。

採用エージェントの活用

候補者の募集から面接の日程調整までを、エージェントに代行してもらいます。

採用エージェントのメリット

成功報酬のため、採用広告と違い初期コストがかかりません。採用エージェントのノウハウが活用できます。

採用エージェントのデメリット

成功報酬の相場が、採用人材の年収の2~3割ほどであり、コストが高くなります。

採用面接の方法

面接や選考のプロセスについてです。

面接時の職務経歴書について

候補者が書類選考通過のため、職務経歴書を大げさに書くことは、よく行われがちなので注意が必要です。職務経歴書について具体的にしっかり質問することです。

よくある場合が、職務経歴の記載されている業務に少し関わった程度なのに、その業務について任せられると判断してしまうことです。

職務経歴書に書かれた業務に対して、候補者がどこまでかかわっていたのか、実務能力があったのか、自己判断で任せられる裁量はどの程度があったのかは、業務内容を具体的に詳しく聞いていくことで、ある程度は聞き出すことができます。

例えば、「新商品開発のプロジェクトに参画した。」という職務経歴であれば、

①プロジェクトのメンバーは何人いたのか、その中での自分の役割は何だったのか

②プロジェクトで発生した課題と、それについて自分がどう考え、どう行動したのか

③プロジェクトの結果と業績はどうだったのか、その経験が自分と会社の今後にどのような影響を及ぼしたか

以上のことを、面接前に職務経歴書を読み込んだうえで、質問してみるとよいでしょう

面接者がちゃんと理解できるように、応募者が具体的に説明ができれば、実際に応募者が新商品開発プロジェクトにおいて、貴重な経験やスキルを得た可能性が高いといえます。

候補者の価値観について

人材の価値観は、入社後の活躍度合いや成長に大きくかかわってきます。

自分の将来に描いている姿と、企業が求めている人材の意識合わせは大事です。

「こんなはずではなかった」などどいうことは、企業にとっても、採用された人材にとっても大きな不幸の引き金になります。

何を望んで、どうなりたいのか、どんな仕事がしたいかということと、その採用するポジションの人材に何を求めているかを明確にしていく必要があります。

候補者の価値観と会社の相性を合わせる一番いい方法は、面接回数を増やし、お互いにじっくり検討することです。

ただし、回数や時間をかけることによって、候補者に他に行かれてしまうリスクはあります。

その採用するポジションの人材の成長や業績評価については、経営ビジョンや中期経営計画の課題にも密接に絡んできますが、それはまた別の機会で説明します。

候補者の人柄について

短い面接で、候補者の人となりを把握することは確かに難しいですが、注意深く観察していけば、人柄を類推できる多くのヒントがあります。

挨拶の仕方、入室から退室までの立ち居振る舞い、そして話す態度や内容も大事ですが、面接官の話を聞く姿勢も大事です。

短期の転職回数が多い候補者の場合は、転職理由についてしっかり質問する必要があります。

転職の理由の多くが、処遇や環境に対する不満です。

転職回数が多い候補者は不明や不満を持ちやすいタイプである可能性があるので注意が必要です。

採用選考の心構え

求人難の企業はよくわかっているはずですが、応募がなければ選考も行えません。

選ぶ側と言うだけでなく選ばれる側でもあるということを認識することは大事です。

求人広告から、企業のホームページ、そして面接時の面接官の会社案内から説明、求人者への応対に至るまでの選考のプロセスにおいて、求人企業もまた応募者によって評価されている意識を持つことが大事です。

特に優秀な応募者ほど、求人側の企業をよく研究して選んでいます。応募者不足、内定辞退は、企業側の問題でもあることを認識しましょう

採用の条件提示

内定を出すときに、通常、モデル年収とポジションの提示を行います。この際の注意点として、モデル年収の交渉です。

こちらがあらかじめ決めた条件以外認めないという手段もありますが、前職での年収をベースに条件の調整を行う場合があります。

前年度年収は、入社後提出する源泉徴収で把握が可能です。

そのことを事前に言っておくと、前職時の年収について真偽の見極めができます。

入社後の社内のバランスを考えて、条件提示を行いましょう。

プロフィール
顧客志向研究所

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士です。
上場企業経営者から、中小企業、個人事業主に至るまで、数百の経営者の相談業務、ファシリテーション、社員教育の実績
中立的な立場で、課題解決に役に立つ情報提供を行うことを理念としてます。

そのほかの主な経歴
・外資系生命保険株式会社に在籍し、顧客課題のヒアリングから法人契約営業近畿地区2位(キングオブキングス賞)
MDRT(全世界74か国生命保険営業上位1%の成績基準達成)

・上場直前ベンチャー企業にて採用人事企画の経験

・上場コンサルティング会社での営業経験

・経営改善計画の策定経験(信用保証協会 バンクミーティング)
営業人材育成・人事分野から事業計画策定を得意としています。

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