生命保険による節税と相続対策

資産形成 上流社会 

生命保険における節税効果の中に、相続税の低減効果があります。相続税の最高税率は日本の場合は55%です。多くの人にとって、今現在は相続税はかかわりがないのかもしれません。しかし、身内や知り合いに資産家がいる場合に、相続に関する知識は必要です。相談に乗ることで信頼を得ることことができたり、トラブルの回避になったりします。

日本の相続税

日本の相続税の負担率は先進国の中でも、高い水準にあります。

富裕層の海外流出を防ぎたい国策をとっている国はゼロの国もあります。・香港(2006年に廃止) ・中国 ・シンガポール(2008年に廃止) ・マレーシア ・タイ ・オーストラリア ・ニュージーランド ・ロシア ・スイス(一部の州にのみ存在) ・スウェーデン(2005年に廃止) ・イタリア(4親等を超える者への相続のみ課税) ・モナコ

相続税対策としてこれらの国への移住も選択肢の一つです。

主要国の相続税の負担率 出典財務省

日本では富の再分配を促して所得格差の固定化を防ぐこと、そして勤労意欲を向上させることを目的に、現在の累進課税型の相続税が導入されてきました。

(累進課税とは、租税を賦課する課税対象が増えるほど、より高い税率を課する課税方式のことをいいます。)

相続した財産だけで生活するのではなく、労働で収入を得るのを促す目的です。

日本の相続税の税率は、10%~55%の間です。

出典:国税庁

相続税の負担は法定相続人の人数や配偶者の有無によって変わりますが、相続財産が数千万単位であれば、相続税にそれほど神経質になる必要はありません。相続財産が1億を超えるあたりから、対策を意識しておいた方がよいでしょう。

生命保険の相続税非課税限度額

生命保険には遺族の生活保障の意味合いから、相続税の税制優遇処置がとられています。

被相続人の生命保険金や損害保険金は、相続税の課税対象になりますが、法定相続人の数に応じた非課税限度額があります。

500万円 (死亡保険金)× 法定相続人の数 = 非課税限度額

例えば、法定相続人が2名の場合(配偶者、子)生命保険金のうち、1000万は相続税非課税で、法定相続人が相続できます。

法定相続人について

法定相続人とは、被相続人(=相続される人)が亡くなったときに、相続する権利がある人をいいます。民法で定められています。

通常は配偶者、子供です。配偶者のみの場合、もしくは子供がいない場合は親、兄弟と範囲が広がる仕組みになっています。

法定相続人の範囲(筆者作成)

・配偶者・・・相続順位はなく、常に相続権があります。

・直系卑属・・・第1順位。配偶者と同様で、常に相続権があります。

(子供、子供がなくなっている場合は孫、養子は子供がいない場合は2名

 いる場合は1名まで認められます)

・直系尊属・・・第2順位。第1順位の相続人がいないときに相続権があります。

       (両親、両親がなくなっている場合は祖父母)

・兄弟姉妹・・・第3順位。第1、2順位の相続人がいないときに相続権があります。

相続対策の生命保険の使い方(一時払い終身保険)

相続税が課税されることが予想されたときには、法定相続人×500万の生命保険を加入することによって節税ができます。

ただ問題なのは、一般的に生命保険は健康な時にしか加入できないことです。相続税対策を考えるときには、高齢であったり病気の時がほとんどです。

相続税対策で生命保険に加入したいが、加入できないときはどうすればよいのでしょうか。

生命保険には一時払いの終身保険があります。生命保険は、毎月であったり、毎年であったり保険料を継続して支払うものが多いですが、一時払いの終身保険は、一括して払います。保険金に対して相当な割合を一括して支払います。例えば1000万の保険金に対して、950万を一括支払いするという風にです。

一時払い終身保険の例

保険会社としては保険金支払いの負担は少ないこともあって、保険会社や保険種類によって条件は異なりますが、持病があったり、高齢であっても入れる条件のものがあります。

相続財産は評価が必要です

相続対策の生命保険の使い方(低解約生命保険)

相続税がかかる時には、法定相続人は税務署に申告する必要があります。税理士に依頼することになりますが、相続財産の評価が必要になります。

相続財産には様々なのもがあります。まず現金、不動産そして生命保険の契約も相続財産です。生命保険は契約者に所有権があります。

生命保険の契約者が被相続人(相続される人)であり、被保険者が被相続人でない場合は、相続財産として生命保険が評価される必要があります。

生命保険契約に関する権利の評価としては、解約返戻金(解約時に返金されるお金)をもって、その評価額にするという国税庁の通達があります。

No.4660 生命保険契約に関する権利の評価|国税庁

この通達を利用した、相続税低減の手法があります。

生命保険契約の中に低解約返戻型(解約したときの返金される金額が低い)というものがあります。

低解約返戻型保険の例

保険会社によって条件は異なりますが、低解約返戻期間の間は、支払った保険料に対して、解約返戻金は低く抑えられます。

低解約返戻期間中に相続が発生した場合、評価額が低く抑えられることを利用しています。

低解約返戻期間が過ぎると解約返戻金は急増します。商品と期間によっては、支払った保険料以上に帰ってくる場合もあります。

相続人は、低解約返戻期間で相続し、低解約終了後に解約すれば、相続税の低減になるというものです。

保険料の負担は加入時に前払い(被相続人の負担)にしておきます。

ただし非合法ではないですが、税法が予定した節税方法とは言い切れないため、租税回避といってもいいかもしれません。

低解約返戻期間の活用の仕方など、いくつかポイントがありますので、この方法に関心がある方は本サイトに問い合わせるか、精通した税理士及び保険会社の担当に相談するとよいでしょう。

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プロフィール
顧客志向研究所
顧客志向経営研究所

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士です。
上場企業経営者から、中小企業、個人事業主に至るまで、数百の経営者の相談業務、ファシリテーション、社員教育の実績があります。
中立的な立場で、課題解決に役に立つ情報提供を行うことを理念としてます。

そのほかの主な経歴
・外資系生命保険株式会社に在籍し、顧客課題のヒアリングから法人契約営業近畿地区2位(キングオブキングス賞)

・MDRT(全世界74か国生命保険営業上位1%の成績基準達成)

・上場直前ベンチャー企業にて採用人事企画の経験

・上場コンサルティング会社での営業経験

・経営改善計画の策定経験(信用保証協会 バンクミーティング)

営業人材育成・人事分野から事業計画策定を得意としています。

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