事業再構築補助金は、新型コロナウィルス感染症の影響が長期化する中で、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変動に対応するために、経済産業省による中小企業などの事業再構築を支援する補助金制度です。
事業再構築とは、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編という思い切った事業再編です。
事業再構築補助金とは
2022年7月1日(月)18:00より、第7回公募を開始です。第7回公募では新たに、原油価格・物価高騰等総合緊急対策として特別枠の創設や加点措置を行います。
2022年6月9日に第5回公募の採択結果が公表されました。(中小企業庁のホームページより)
事業再構築補助金 (jigyou-saikouchiku.go.jp)
令和3年度補正予算枠は、6123億円となっています。
補助金とは
補助金とは、国や自治体の政策目標(目指す姿)に合わせて募集されます。事業者の取り組みを支援するために資金の一部を給付します。予算額の制限があり、申請内容の審査で採択が決定されます。経済産業省の事業再構築補助金やものづくり補助金が該当します。
一方、助成金は一定の要件を満たせば基本的に受けることができます。厚生労働省の人材開発支援助成金や、キャリアアップ助成金などがあります。
事業再構築補助金の規模
事業再構築補助金は、ものづくり補助金などの過去の補助金と比べても、中小企業(個人事業主も可)にとっては大型の補助金です。思い切った設備投資が必要な事業にとって大きな機会を提供しています。
通常枠
- 「従業員数20人以下」100万円~4,000万円
- 「従業員数21~50人」100万円~6,000万円
- 「従業員数51人以上」100万円~8,000万円
中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
グリーン成長枠
- 中小企業者等:100万円~1億円
- 中堅企業等 :100万円~1.5億円
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3
大規模賃金引上枠
- 「従業員数101人以上」8,000万円超~1億円
- 「卒業枠」 中小企業者等:6,000万円超 ~ 1億円
- 「グローバルV字回復枠」 中堅企業等:8,000万円超 ~ 1億円
中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
卒業枠
- 中小企業者等:6,000万円超 ~ 1億円
中小企業者等 2/3
グローバルV字回復枠
- 中堅企業等:8,000万円超 ~ 1億円
中堅企業等 1/2
原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠)
- 中小企業 中堅企業等:1,000万円 ~ 4,000万円
中小企業者等3/4、中堅企業等2/3
注意事項:補助金は公募要領に即した書式や内容で申請しなければ採択されません。条件なども最新の公募要領を必ずご確認ください。
参考 第7回公募要領 (申請期間 令和4年7月1日(金) ~ 令和4年9月30日(金)18:00)
koubo007.pdf (jigyou-saikouchiku.go.jp)
事業再構築補助金の申請要件について
申請要件は、次の4つとなります。
- 新型コロナウィルス感染症の影響による売上の減少
- 新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編の取組
- 認定経営革新等支援機関(取引先銀行など)と事業計画を策定
- jGrants(経済産業省の電子申請システム)にて申請。GビズIDプライムの取得が必要です。
補助対象経費
事業再構築にかかわる以下の経費となります。
建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費、海外旅費
事業再構築補助金の採点基準
補助事業としての適格性
補助事業終了後、3~5年計画で付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)平均3.0%(グローバルV字回復枠については5.0%)以上の増加等を達成する取り組みであるか。
事業化点
体制や財務状況から、補助事業が適切に遂行できると期待できるか、金融機関などが十分な資金調達が見込めるか。
事業が寄与するユーザー、マーケットおよび市場規模が明確化、市場ニーズの有無が検証できているか。
価格的・性能的に優位性や収益性を有し、遂行方法及びスケジュールが妥当か。
費用対効果が高いか、既存事業とのシナジー効果が期待できるか。
再構築点
全く異なる業種への展開などリスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものか。
既存事業における売り上げ減少が著しいなど、新型コロナウィルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊急性が高いか。
市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組合せリソースの最適化を図る取組であるか。
先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築などを通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。
政策点
先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用などを通じて、わが国の経済成長を牽引し得るか。
新型コロナウィルスの事業環境に与える影響を乗り越えて、V字回復を達成するために有効な投資内容になっているか。
ニッチ分野における、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス、品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有するか。
地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、経済波及効果を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。
異なるサービスを提供する事業者が、共通のプラットフォームを構築するなど単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取り組みことにより高い生産性向上が期待できるか。
事業再構築補助金事例
有限会社コート・ダジュール(大規模賃金引上枠 新分野)
事業概要
厳選素材を使ったケーキや生菓子・焼菓子等の商品を開発・提供
コロナ禍の影響
祝い事や外出自粛等の影響を受けて、贈答品・嗜好品である洋菓子の需要が激減
事業再構築の取組
マルシェ(フランスの朝市)事業への進出、地域の生産者と連携して新鮮な果物や生花・特産品を仕入れ、専門店が出店しているような売場を構築する。画像認識で素早い会計ができるAIレジの導入。
効果
フードロスの削減 「つくばブランド」の世界への発信拠点へ
与力水産株式会社(通常枠 新分野展開)
事業概要
鮮魚の加工、卸売、海外輸出築地場外市場の販売所運営
コロナ禍の影響
コロナの影響で飲食店向けの卸売は約半分まで落ち込む状況
事業再構築の取組
魚の種類・数を把握できる定置網モニタリングシステムと漁船カメラを導入して、水揚げのライブ配信
一般消費者が欲しい魚と食べ方(刺身/焼く/煮る等)を選択すると、船上のスタッフがその場で注文を受け、当日中に加工・発送する仕組み
効果
魚に「他にはない体験」という付加価値をつけて販売
魚の注文情報を同業他社にも共有することで、地域全体で高品質の魚の収穫・販売を効率化
引用参照:経済産業省ホームページ
事業再構築補助金申請支援サービス
事業再構築補助金は、事業者が申請します。しかし、申請要件や様式、採点基準への理解が必要になります。中小企業診断士の多くは、事務局から委託を受けて採点や申請支援サービスを行っています。
当社でも、事業再構築補助金の無料相談から、事業再構築補助金の申請支援サービスを行っています。中小企業診断士ネットワークによる得意分野別の、事業再構築補助金申請支援を行っています。業界でも安価な水準の成果報酬体系と高い採択実績を持っています。
また補助金だけを獲得を目的にしない、経営の助言支援サービスを心がけています。5年間の事業計画策定においても、現状分析を行い現実的な数字の算出を行っています。
ご関心ある事業主様は以下よりお問い合わせください。無料の事前相談サービスを行っています。ZOOMなどのリモートでの対応も可能です。
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