ビジネスモデルキャンバスとは 例 活用事例

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ビジネスの説明

ビジネスモデルキャンバス(BCM)とは、新規事業や既存事業を可視化し、具体的内容や詳細について説明したり、情報共有するためのフレームワークです。本投稿では、ビジネスモデルキャンバスの構成例、活用事例、作成方法について解説します。

ビジネスモデルキャンバスとは

ビジネスモデルキャンバスは、累計14万部以上の世界的ーベストセラービジネス書「ビジネスモデル・ジェネレーション」著者である、スイスの経営コンサルタントのアレクサンダー・オスターワルダーが2005年に考案しました。スリーエム、エリクソン、デロイトなどの一流企業で利用されています。

ビジネスモデルキャンバス(BCM)は、新しいビジネスモデルを明確にし、客観視することができます。既存のビジネスの強みや弱み、ビジネス環境や自社のポジションを社内外の関係者に深く理解し、共有することができます。顧客への価値提供、経路、収益を可視化し、自社または競合他社の分析を行います。 

ビジネスモデルキャンバス作成の目的・メリット

ビジネスモデルの共有化

言葉だけではなく1枚のフレームワークを活用することによって、概念を簡潔にわかりやすく伝えることができます。社内外の関係者とビジネスモデルの概念を共有化することができます。認識のずれを修正することによって方向性を合わせることができます。

顧客ニーズに立脚した事業検討

顧客セグメント、顧客関係、価値提案の要素を考案、記載することによって、顧客ニーズに寄り添った付加価値の創造と事業を検討することができます。どのような顧客の問題を解決し、価値を提供するのかを整理、検討することができます。

競合他社の分析

自社のみならず、競合他社をビジネスモデルキャンバスを作成することによって、自社における差別化のポイントや、競争優位に立つための戦略について検討することができます。

ビジネスモデル

ビジネスモデルキャンバスの作成と事例

ビジネスモデルキャンバスを構成する9つの要素と書き方、事例を記載します。一般的にはビジネスのコアとなる①顧客セグメントと②価値提案から作成します。

ビジネスモデルキャンパス

①顧客セグメント

ビジネスにおける対象顧客です。ターゲットが明確であれば、的を得たアプローチをとることができます。ランチェスターの戦略で明らかのように、競争に勝つためには、範囲(顧客セグメント)を絞り戦力(経営資源:ヒト・モノ・カネ)を集中させることが大事です。

顧客を具体的に記述したものをペルソナといいます。例えば、B to Bのビジネスであれば、「顧客は中小企業」と抽象的にするのではなく、「インボイス対応、電子帳簿保存法の対策に必要が迫られた、飲食店の店舗責任者」というように具体的に設定します。

B to Cのビジネスであれば、「中高年の女性」と漠然とするのではなく、「金融資産が3億円以上あり、セレクトショップや百貨店の外商で買い物をする、30代から50代までの有閑マダム」といった具合です。

ペルソナについては下記投稿もご参考ください。

 価値提案とは、商品サービスによって顧客に提供する価値です。顧客が得られる利便性、購入する理由、解決される課題、満たされるニーズ、競合他社の製品に比べ顧客にとって優れた点を記載します。

切り口としては、顧客が享受することができる、便益、機能、ソリューション、価格、快適快楽、安心感、効能などです。

スマートフォンの例としては以下があげられます。

携帯電話で、インターネットが利用できる。どこにいても、ネットや動画が楽しむことができる。ノートPCに近い機能で、お求めやすい価格。持ち運びができる大きさと重さ。ゲームをはじめとして様々なアプリがスマートフォン用に開発されており、自由にダウンロードして利用できる。カメラやビデオの機能もついている。

他社との差別化:同程度の機種に比べ価格が30%安い、バッテリーの持ちが従来機種比で150%長持ちする。協業機種にくらべ~g軽い、画面やカメラが●●●万画素できれい。処理がより高速で、2倍スムーズに動作する。

価値提案では、個別のサービス・製品ごとに具体的にかきます。差別化においてはできるだけ数値を用いて比較・記載するようにします。

顧客提供価値については、下記投稿もご参考ください。

③チャネル

チャネルとは、製品やサービスを販売するチャネル(経路)です。①で記載した顧客セグメントに対して、②の価値提案を、どのルートで届けるのかを書きます。

例えば、①富裕層の30代~50代の有閑マダムに対して②高級感があり、ステイタスになるブランド力のあるバックを提供する。

③ー1「店舗で提供する。」③ー2「ECサイトで提供する。」とでは、販売戦略が大きく異なります。高額なバックをECサイトで購入されるかどうかなど、顧客セグメントの購買行動にあったチャネルを、コストも加味しながら検討しなければなりません。

もちろんチャネルを組み合わせることも可能です。インターネットやSNS、動画、3D活用による認知度向上から、実店舗・試供品によるリアルな顧客体験、スマートな決済手段、配送・手渡しなどの受け取る方法、コールセンターなどによるアフターメンテナンス、リピートオーダーへと、顧客体験を加味したチャネルの組合せが有効な戦略となってきています。

顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)について詳しくは、下記投稿もご参考ください。

④顧客関係

顧客関係は、顧客との長期的な関係構築の方法を書きます。顧客関係の目的は、顧客満足度の向上、ロイヤルユーザーやリピートオーダーの獲得です。商品、サービスを売り切りにしない仕組みとも言えます。

例としては会員制ポイントサービスや、アフターサービス、顧客とのコミュニティ構築、定期的な情報提供などの方法があげられます。

顧客関係のツールとしては、メール、動画、LINEなどのSNS、会員限定のサービスサイト、セルフサービスのプラットフォームなど多様化しています。

ビジネスモデル概念

⑤収益の流れ

顧客に価値を提供し、対価として得られるのが収益の流れです。事業継続に不可欠な要素です。売上が計上され入金されるまでのプロセスを記載します。

一般的には製品やサービスが提供された納品時に、売り上げが計上されます。B to Cに多いのは、入金は即時現金決済です。B to Cの場合は、後日請求書発行し振り込まれるケースが多いです。

レンタル料や特許使用料、成功報酬などビジネスにおいてマネタイズするポイントは様々です。

近年特にネット経由で活発に活用されるのが、サブスクリプション形式です。月額定額で収益を得る流れですが、企業にとっては固定収入となり経営の安定化に寄与します。利用者にとっては、一度に多額の金銭が出ていかなく、不要になれば取りやめることができるメリットがあります。

サブスクリプションについて詳しくは下記投稿もご参照ください。

⑥主要なリソース

 リソースとは経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)です。経営資源には、有形資産もあれば、無形資産もあります。

ヒト(人的資産)

社内人的資産(経営者、役員、従業員)、社外人的資産(業務委託、社外ネットワーク、取引先との関係)があります。

モノ(有形資産)

商品、仕掛品、建物、土地、機械装置、備品などがあげられます。

モノ(無形資産)

ブランド価値、研究開発費、知的資産(特許、商標等)、システム、ノウハウ、技術力などです。

カネ

現金、預金、有価証券、売掛金、貸付金、未収入金などです。貸借対照表に表示されます。

情報

顧客情報、取引先データ、社内外の情報です。

主なパートナーとは、事業活動におけ協力会社のことです。パートナー(協力会社)には、サプライヤー(材料・商材仕入先)、物流業者、加工業者、提携先企業、販売・広告代理店など様々あります。

事業を行う上で、自社でカバーできなかったり、強みではない業務プロセスは、外部パートナーを活用します。経済効果を最適化したり、互いにシナジー(相乗効果)を発揮したり、リスク分散を行う上で、主なパートナーの存在は重要です。

⑨コスト構造

コスト構造では、事業活動におけるコストを記載します。ここでは細かい費用科目を洗い出す必要はありません。大枠で必要なコストを把握します。

変動費は売り上げに比例して上昇するコストです。例えば仕入や、外注加工費、運送費、エネルギーコストなどです。一方固定費は、売り上げに関係なく事業が継続するうえでかかるコストです。正社員人件費や地代家賃、広告宣伝費などが該当します。決算書の販売費及び一般管理費の科目の大部分は固定費です。

利益を生み出すためには、売上だけではなくコストも抑える必要があります。ここでは重点的に管理するべきコストと、事業活動におけるコスト構造を記載します。

ビジネスモデルキャンバスの活用事例

googleのビジネスモデルキャンバス

googleのビジネスモデルキャンバスです。インターネットにおける大量の情報の活用をすることが顧客ニーズです。Googleでは、インターネット情報を整理する優れた検索エンジンを開発、進化させることを通じて、インターネットユーザーに価値を提供しています。

収益としては、膨大な利用者を確保することで、グーグルの提供するサービスの価値を高め、広告収入を得ることとなっています。

また、各種のオンラインツール(google Search Console・google play・google drive・google workspace等)を通じて、サイトマスター、企業ユーザー、インターネットユーザーに、娯楽、分析、業務の効率化などの価値提供を行っています。

スターバックスジャパンのビジネスモデルキャンバス

スターバックスジャパンのビジネスモデルキャンバスです。スターバックスジャパンは、国内カフェ市場において、店舗数も売上高も1位です。

ラテンアメリカ、アフリカ、アジアのサプライヤーから「高品質」のコーヒー豆を購入し、顧客に美味しいコーヒーを提供しています。また、都会的でおしゃれな内装と、清潔でメンテナンスの行き届いたサードプレイス(家、会社に続く第3の場所)という顧客価値を提供しています。

ビジネスモデルキャンバスと同様のフレームの違い

リーンキャンバスとの違い

リーンキャンバス(Lean Canvas)は、アメリカの起業家で、経営コンサルタントでもあるアッシュ・マウリャが開発しました。

リーンキャンバスも9つの要素を1枚の用紙にまとめ、ビジネスモデルの全体像を俯瞰します。ビジネスモデルキャンバスとの違いは、以下の要素が代替として使われています。

  • 「価値提案」→「独自の価値提案」
  • 「顧客関係」→「圧倒的な優位性」
  • 「主要なリソース」→「主な指標」
  • 「主要な活動」→「ソリューション」
  • 「主要なパートナー」→「課題」

ビジネスモデルキャンバスの構成要素を規事業開発の無駄を減らす「リーン・スタートアップ」の考え方を反映させ、新規事業向けに作り変えたものがリーンキャンバスです。

スタートアップ

 バリュープロポジションキャンバス(Value Proposition Canvas)は、バリュープロポジション(価値提案)に特化したフレームワークです。ビジネスモデルキャンバスの開発者でもある、アレクサンダー・オスターワルダーが2015年に発表した著作、「バリュー・プロポジション・デザイン」で紹介されました。

「誰に何を提供するか」「顧客のニーズ」「顧客に対して提供できる価値」を簡潔に記載し、自社製品やサービスと顧客のニーズとのあいだのずれを解消します。

まとめ

ビジネスモデルキャンバスは、9つの要素で簡潔にビジネス全体像を表現することができます。関係者との共有化を通じて、顧客ニーズに寄り添った事業の検討や、競合他社との比較による競争優位の確立に活用します。

その他のビジネス分析のフレームワーク(SWOT分析、3C分析)とともに、場面ごとに使い分けて、顧客志向のビジネスを検討しましょう。

SWOT分析について、詳しくは下記投稿もご参考ください。

3C分析について、詳しくは下記投稿もご参考ください。

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