PREP(プレップ)法とは、結論(Point)・理由(Reason)・具体例(Example)・結論(Point)の構成で、わかりやすく説明する方法です。本投稿では、PREP法の例文やトレーニング、研修について記載します。
PREP法とは
PREP法とは、最初に、結論(Point:要点・主張)から入ります。次に、結論にいたった理由(Reason)を説明します。その上で、理由を裏付ける具体例(Example)や根拠となるデータを提示します。最後にもう一度結論(Point:要点・主張)で、念押しします。
結論から入ることによって聞き手は、ポイントが明確になります。理由と根拠を確認しながら、結論を再確認できるので、聞き手が理解しやすい構成と言えます。
PREP法のメリット
生産性の向上
PREP法は、結論を論理立てて説明する構成になっています。伝えたいこと、判断してほしいことを伝達する汎用性の高い方法論です。
ビジネスにおいて、周囲の合意をとるプロセスは、非常に重要です。PREP法で、コンセンサスをとるスピードが上がり、生産性の向上が期待できます。
特に、上司の報告したり決済を求めるときに有効です。組織において報連相(報告・連絡・相談)は、生産性向上と組織力強化に重要です。報連相については、下記投稿もご参考ください。
説得力
RREP法は、論理的な構成になっています。結論から入り理由の、根拠を提示して結論を確認する伝え方のメリットは、説得力です。
説得力は、営業活動においては必須のスキルです。また特に、インサイドセールス(内勤営業)のDMや、電話においても、簡潔に説得力のあるPREP法は有効です。
インサイドセールスについては、下記投稿もご参考ください。
情報整理と文書作成
PREP法は、ビジネスにおいて情報を整理して、アイディアをまとめる思考プロセスに役立ちます。文書にまとめ人に伝える機能としてもすぐれています。
PREP法の注意点
論点を絞り込む
PREP法は、結論を一つに絞り込むことが重要です。複数の論点があると、聞き手が混乱します。シンプルに伝えたいことだけを盛り込むようにしましょう。
複数の論点があったり、情景や情緒をつたえたいコラムや、コンテンツが長い場合は不向きな側面があります。
機械的にならないこと
PREP法は、筋道をたてた説明であり、あらかじめ準備されているシナリオであることが多いです。
ともすれば、一方的に話しがちですが、PREP法も伝えることがメインとはいえ、コミュニケーションの技法です。
特に営業シーンにおいては相手の反応をしっかり見ながら、臨機応変に対応する心持ちを持つようにします。
PREP法の例文
報告(PREP法の例文)
PREP法は上司への報告に適しています。多忙な上司には、簡潔に結論と根拠を伝えるPREP法が有効です。
よくない報告例
上司:A社の案件はどうなっている?
部下:技術課と相談しています。
上司:?なぜ技術課と相談しているのだ。受注は見込めるのか?
部下:がんばります。
上司:どう頑張るのだ?技術課と何の話をしているのだ?
部下:提案書作成の協力を得ています。
上司:いつ提案するのだ?
部下:3月1日です。
上司:受注できそうなのか?
部下:コンペなのでわかりませんが、何とか受注したいと思います。
上司:コンペになった理由は?
部下:お客様の購買方針だそうです。
上司:・・・ようやくわかった。もっと簡潔に報告したまえ。
部下:すいません。
上記の例は、上司が知りたいこと「コンペになり、技術課と連携の上3月1日に提案する」にたどり着くまでに、質問を重ねることになります。互いに余計な労力と負担がかかり生産性が低下しています。
PREP法の報告例文
同じケースで、PREP法で報告したケースを見てみます。
上司:A社の案件はどうなっている?
部下:コンペになりました。3月1日に提案予定です。結論(Point)
上司:どうしてコンペになったのだ?
部下:お客様の購買規定では、一定金額以上は比較が必要だからです。理由(Reason)
上司:そうなのか?
部下:購買担当のB課長から、先日直接お聞きしました。具体例(Example)・根拠
上司:選ばれるように、方策を練ってくれ。
部下:お客様のニーズにこたえられるように、技術課と連携の上3月1日の提案に臨みます。結論(Point)
上司:よくわかった。健闘を祈る。
PREP法を使うことによって、スムーズに事実関係と今後の見通しについて伝わっていることがわかります。
保険営業(PREP法例文)
結論(Point)
死亡保障と老後の備えを兼ねた終身保険をおすすめします。
理由(Reason)
ご家族のため死亡保障は必要でかつ、少子高齢化がすすみ年金の支給年齢が引き上げられる可能性が、高いからです。
具体例(Example)
40才から20年間支払期間で、月額3万円で、1000万円の終身死亡保障か、解約返戻金による700万円で老後の備えができます。
結論(Point)
60才払い済みの終身保険をご検討なさってはいかがでしょうか。
他の話法との違い
PREP法以外にも様々な話法があります。その違いを説明します。
PREP法とSDS法との違い
伝え方の方法論には、SDS法があります。SDS法とは、要点(Summary)、詳細(Details)、要点(Summary)の順に、事実をわかりやすく伝えるフレームワークです。
SDS法は、根拠や理由の不要な、簡潔な事実関係を伝えるのに適しています。
PREP法は、根拠が明確な主張や、相手の合意を取りたい提案などをに適しています。場面に応じて使い分けましょう。
SDS法について詳しくは、下記投稿もご参考ください。
PREP法とDESC法の違い
DESC法とは、Describe(描写する)、Express(説明する)、Suggest(提案する)、Choose(選択する)の順に会話を展開し、相手の意向を尊重しながら話を展開する、アサーション(相互尊重)スキルです。
一方、PREP法は結論を簡潔に伝えるフレームワークです。
上司への報告、1対多のプレゼンテーションのように自分の主張を直接伝える場合はPREP法、上司への相談や承認、顧客折衝など1対1のやり取りはDESC法が向いています。
DESC法について詳しくは下記投稿もご参照ください。
トレーニング、訓練、研修
PREP法の習得は、利用シーンを想定して、組み立ててみることです。実務での活用が習得の近道なので、できるだけ現在の業務にありそうなシーンを想定して訓練してみましょう。
業種別や職種別に、想定シーンを例題としてあげながら、PREP法のトレーニングを企画実施中しています。自社にあった、ロールプレイングの設定準備も行います。相談見積は無料です。
トレーニング・研修プログラム例
①講話(心理学と話法)
②グループワーク(心理学と話法:PREP法、SDS法、DESC法)
③講話(話法の活用シーンと具体例)
④ロールプレイング(PREP法の実践)
詳しくはお問い合わせください。相談及び提案は無料です。
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