アクティブラーニング(目的、歴史、メリット)会社・組織活用事例

人事 キャリア

アクティブラーニングとは、学習者が能動的(active)に、グループディスカッション、グループワーク、ディベートなど実際の業務手法を取り入れて、自発的に提示された問題に対して考え、意見を交換し、問題解決の手法を導き出して、学習(learning)する方法です。

本記事では、アクティブラーニングの目的、歴史、メリットと組織活用事例を記載します。

アクティブラーニングの目的

日本国の高度成長期の大量生産の時代においては、業務の標準化が進められていました。

モノづくりの核となる製造業において、決められた枠組みの中でいかに早く、正確な作業ができるか、という点が重要でした。

指示通りの仕事をこなす人材育成には、講義型、暗記型の教育方法が有効でした。

現代のグローバル経済の中では、モノづくりの日本国の相対的な地位が激しく変動しています。

今後は社会の変化に対応できる人材の創出が強く求められ、多様化する社会に対応できる思考力や判断力を持つ人材の必要性が認識されています。

さらに、AIやロボットの普及が見込まれ、枠組み自体を作り出す創造的な人材が求められています。

アクティブラーニングは、正解のない議論が豊富です。一つの議題からたくさんの答えや考え方を知ることができ、また周りの人との対話の中で協調性も育まれていきます。

一方的に教え込まれる教育よりも、学んだことを他の人と一緒に考え意見を出し合うことで、しっかりと理解できるのです

さらには実際に経験し、指導することで知識が身となりスキルとして定着化します。

アクティブラーニングピラミッド

アクティブラーニングの歴史

アクティブラーニングの概念は、1980年代以降、アメリカにおいて高等教育が大衆化、多様化した1980年代にさかのぼります。

連邦教育省のベル長官の諮問に答える形で1983年4月に公表された『危機に立つ国家』は、教育界はもとより幅広い人々に読まれ、その後のアメリカの教育施策の転換点を指すレポートとなりました。

翌年(1984年)、国立教育研究所に設置された諮問的な研究グループが、高等教育版の『学習への関与』レポートにおいて、「よりアクティブな教授・学習モード」を採用することをすすめました。

1990年代に入り、ボンウェルとアイソンはアクティブ・ラーニングの概念を確立しました。「学生たちが行っている何かに関する思考と行為といっ た、それぞれの活動のなかで学生を巻き込んでいるすべて」と定義しています。

「anything that involves students in doing things and thinking about the things they are doing」

日本においては、大学進学率が高まり学生の目線での教育論が語られ、アクティブラーニングの概念が普及し始めたのは2000年以降のことだといわれています。

2012年8月、文部科学省の中央教育審議会では「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ」を答申しました。

アクティブ・ラーニングの目的を「認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る」としています。

また、アクティブ・ラーニングの意義を「主体的・協同的に問題発見や解決の経験をすることで思考力・判断力・表現力が磨かれていく」と定義しています。

文部科学省では、教科等の本質的な学びを踏まえた主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの学習・指導方法の改善の推進しています。(アクティブ・ラーニング推進事業)

アクティブラーニングのメリット・デメリット

アクティブラーニングのメリット

自主的、主体的に情報を選択し、問題解決の力が付きます。

ディスカッションを通じて、コミュニケーション能力が強化されます。

情報をまとめ発表する、プレゼンテーションスキルが身に付きます。

テーマに対して多人数で取り組む過程で、リーダーシップを養えます。

実体験を通じて、知識がスキルとして定着化します。

アクティブラーニングのデメリット・注意点

目的が不明確の場合や、出席者にモチベーションが低いときには、ほとんど集まっただけの無意味な研修になることがあります。

アクティブラーニングの講師には、高度なファシリテーションやコーチングのスキルが求められます。

テーマによっては専門性や事前準備が必要です。これらが十分でない場合、教育全体の質が低下します。

アクティブラーニングの企業研修・方法

アクティブラーニングの方法

発見学習

「発見学習」はアメリカを代表する発達心理学者、教育学者である、ブルーナー(1915-2016)が1959 年にウッズホールで開催された全米科学者会議で提唱しました。

学問ごとにある本質の「構造」を学習者に「発見」させ、結論に至る過程を学習者自身にたどらせることで、「学習の仕方」が学習され、学習する能力が伸びるという考えです。

問題解決学習

「問題解決学習」はアメリカの哲学者ジョン・デューイ(1859年 – 1952年)が、1910年に「われわれはいかに考えるか」で記述しています。

学習者自身が問題を発見し、解決してくことに学習の本質があるとしました。

日常的な問題を解決する、多様な以下の過程を通じて学習者の能力を高めます。

  • 問題の明確化
  • 問題解決に必要な情報の収集
  • 解決可能な仮説をたてる
  • 多様な仮説のなかから適切な仮説を選び出す
  • 実際に仮説をテストして検証する

体験学習

体験学習は、ユダヤ系の心理学者クルト・レヴィン(1890年 – 1947年)が行った、感受性訓練というヒューマンスキル開発の訓練法が始まりだといわれています。

実際の活動体験を活用する学習形態です。「自分の態度」「対人関係」など実際の行動を分析検証します。次なる行動への仮説を立ててブラッシュアップをはかるという実践的な学習です。

調査学習

実際の課題やテーマについて調査やヒアリング等を行い、研究を行います。

チーム内で仮説を立て、同時に座学的な講義を交えます。調査の進め方についてのレクチャーや動機付けを行います。それから、検証方法の議論も含めて検証・調査を行います。

体験学習のフィールド型として、現地調査、実地店舗、サービス覆面調査など、より実践的に行うことができます。

企業研修

部門横断プロジェクト

テーマを決めて部門横断的なプロジェクトを組成することでアクティブ・ラーニングを実践します。部他部門同士のコミュニケーション機会を創出するため、部門間の隔たりをなくすうえでも有効です。

テーマとしては以下ものが例としてあげられます。

  • 働き方改革、生産性向上プロジェクト
  • 事業構造改革、社内制度改革プロジェクト
  • 新商品・新規事業開発プロジェクト
  • 商品改善、原価低減プロジェクト
  • 次世代経営幹部事業計画策定プロジェクト

自分で問題点を考えて解決する思考方法は、既存事業にとらわれない発想力を育成することができます。

新規事業開発や、事業の再建には特にこのようなスキルが求められます。

これらのプロジェクトは、学習だけにとどまらず、実際に業績や将来の会社の方向に貢献することを目指すべきです。そのために成功要因として以下が必須です。

  • トップやメンバーの強い遂行意志
  • 現業部門や上司の理解
  • ファシリテーターによるスケジュール管理や事前準備、課題の取りまとめ
  • ファシリテーション技術については下記投稿もご参考ください。

営業研修

営業研修においても、アクティブラーニングであるロールプレイングなどは実践的で有効です。

個別のベテラン営業の持っていた方法論を組織に共有化が図ることができ、全体のレベルアップにつながります。

ファシリテーターがその企業ごとにあった営業コンテンツを作成することによって、より実践的な研修が行えます。

まとめ

アクティブラーニングは、これからの時代に必要な人材となるためには、避けて通れない学習方法です。

学校教育のみならず、会社においては競争力向上、組織全般においても組織目的や目標の実現のために重要な研修です。

社会や組織に対しての貢献のためにも、意識して取り組むべき学習方法です。

プロフィール
顧客志向研究所
顧客志向経営研究所

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士です。
上場企業経営者から、中小企業、個人事業主に至るまで、数百の経営者の相談業務、ファシリテーション、社員教育の実績があります。
中立的な立場で、課題解決に役に立つ情報提供を行うことを理念としてます。

そのほかの主な経歴
・外資系生命保険株式会社に在籍し、顧客課題のヒアリングから法人契約営業近畿地区2位(キングオブキングス賞)

・MDRT(全世界74か国生命保険営業上位1%の成績基準達成)

・上場直前ベンチャー企業にて採用人事企画の経験

・上場コンサルティング会社での営業経験

・経営改善計画の策定経験(信用保証協会 バンクミーティング)

営業人材育成・人事分野から事業計画策定を得意としています。

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