業績拡大・販売力強化と成長の秘訣(事業のボトルネック解消)

営業 事業企画
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事業の成長には要因があります。短納期、低コスト、市場ニーズ、販売網、時代感覚との合致、営業活動状況などです。いいかえると、売り上げが伸びない、成長しない事業には原因があります。原因を正しく追及し、真の課題を洗い出さないと経営や人材の努力が無駄になります。ポイントを絞って改革、改善を行うことが重要なのです。本投稿では、事業の販売力強化と成長の秘訣について、事業のボトルネック解消という根源的なテーマからの切り口で記載します。

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ボトルネック(制約)とスループット(処理力)

ボトルネックとは、そのプロセスが制約になって全体のスループット(処理力)が制限されることをさします。

プロセスのボトルネック 筆者作成

上記の例でみると、プロセスBがボトルネックになっています。プロセスAとCは一時間10個の能力がありますが、プロセスBは半分の一時間5個しか能力がありません。プロセスA-B-Cのスループット(処理能力)は、プロセスBが制約になり、一時間5個となります。

改善例としてプロセスBに投資して、複数ラインとすると、プロセスA-B-Cのスループット(処理能力)は、一時間10個となり各プロセスに遊びがなくなります。

この考え方をもう少し詳しくみてみましょう。

事業のスループットとボトルネック 筆者作成

上記の例でいうと、製造工程のボトルネックは工程②です。工程②の処理力が60であるために、工程③の処理力100が遊びになります。資材調達、工程②、工程③の処理力は、60に限定されます。

さらに、資材調達①、工程①のスループット(処理力)は、工程①の処理力120になりますが、組み立てがあるために、完成品は工程②の60によって制約され、製造工程全体のスループット(処理力)は60になります。

製造工程の改善は、工程②のライン増強(最新鋭機械の投入、複数ライン化など)が優先順位となります。次は、資材調達の②で仕入れ先を多様化する、外注先に増産を依頼するとなります。このことにより資材調達②→工程②→工程③のスループットは60→100に増強できます。

このように、ボトルネックとスループットのアプローチは、製造ライン改善計画の取捨選択と優先順位を決めてくれます。

事業のボトルネック(制約)とスループット(処理力)

ボトルネック(制約)とスループット(処理力)を、製造工程のみならず、事業全体に適用する考え方が、業績拡大において極めて重要です。

製造工程がいかにスループット(処理能力)が高くても、販売が滞っていれば、在庫が積みあがり企業の資金繰りを圧迫するだけです。

販売が滞ることについても様々な原因(ボトルネック)があります。営業パーソンの数でしょうか。例えばそう仮説します。しかしこれは過去の経験(上場企業)でもあったのですが、業績を伸ばしたい経営者が、営業人員を増強しました。しかし、取扱商品(システム、コンサルティング)であったため、販売できる人員に高いスキルが要求されていた上に、売る仕組みや商材が整備されておらず、業績が伸びず営業人員の人件費が負担になりました。結果として業績は悪化し、経営者は更迭されました。

物が売れない理由(ボトルネック)は、様々です。競合の商品が強くて売れない、エリアに知名度がなく苦戦する、安価な代替え品が出回っており市場自体が縮小している、そもそも消費者ニーズとずれている、営業トークと販促ツールが標準化されておらず、お客様に訴求できていないなどです。

業績が上がらない理由(ボトルネック)を正しくつかまないと、状況が改善されないばかりか、時間とコストばかりが浪費され、経営難に陥ります。

ボトルネックと原因追及の技法①真の課題の追求

事業におけるボトルネックの把握の技法のひとつは、何故の追求です。経営者だけでなく、各ラインの主だったメンバーが集まる場が良いでしょう。業績の向上という課題に対して、何故という問いを繰り返し行うファシリテーションが有効です。

利益が伸び悩んでいる→なぜなのか?→既存商品の利益率が低下している→なぜなのか?→競合製品の価格競争に巻き込まれ値下げ圧力がある→なぜなのか?→既存商品の機能が陳腐化している→なぜなのか?→新機能開発が遅れている?→なぜなのか→商品開発部門がヘットハンティングで弱体化している→なぜなのか?→魅力的な報酬体系が提示できていなく若手を中心にモチベーションが低下している。

このようにして、問いを繰り返すことによって、事業停滞の真の課題(ボトルネック)を発見するのです。

ボトルネックと原因追及の技法②ロジックツリー

①のファシリテーションで、議論が多岐にわたったときに、問題を定義し、その原因を書き出すことで問題を取り巻く全体像を見える化する技法があります。ロジックツリーです。

ロジックツリー例

上記は、売り上げが減少している問題についてのロジックツリーの一部です。ロジックツリーは、思考が整理され、問題の全体像が俯瞰できます。分解された項目に対して、どの項目の影響が大きいのかの優先順位をつけることで、事業のボトルネックを特定していきます。

サプライチェーンマネジメント(SCM 供給連鎖管理)

事業のボトルネック解消の応用が、サプライチェーンマネジメント(SCM 供給連鎖管理)です。基本指標は、制約理論(ボトルネック)の評価指標スループット会計(貢献利益)です。

スループット会計(貢献利益)=売上高-真の変動費(直接材料費など外部流失する資金、間接経費は除く)

製品の原材料・部品の調達から販売に至るまでの一連の流れにおいて、スループット会計(貢献利益)を最大にする戦略が、サプライチェーンマネジメントの基本的な考え方です。例えば、製造工程のスループット(処理能力)が高くても、原材料の供給が追い付いていないと、スループット会計(貢献利益)は向上しません。一方、製造工程と原材料の供給が十分でも、販売側の処理能力が追い付いていないと供給過多になり在庫が積みあがります。自社だけでなく外部供給、外部販売サイドからも(代替材料の共同開発、販売戦略の見直しなど)改革を視野に入れるのがサプライチェーン構想です。

まとめ

事業のボトルネックを特定するために、業績向上をテーマとしたファシリテーションを行い、全体を俯瞰したロジックツリーを作成します。ロジックツリーで細分化された項目に優先順位をつけます。優先順位の高い項目が事業におけるボトルネックであることを確認して、改善アクションプランを作成し問題を解決していきます。なかなか社内だけで解決が難しい問題の場合は、社外のビジネスパートナーを巻き込むサプライチェーンマネジメント(供給連鎖管理)構想で問題解決をはかります。利害関係者が多くなるために、ポイントとしてはWin-Winの関係が成功要因です。Win-Winの関係については、下記投稿もご参考ください。(第4の習慣)

サプライチェーンに広げて問題解決をはかったとしても、時代背景であったりビジネスモデルが陳腐化したため、問題が解決できない時があります。思い切って発想を転換して新しい新規事業に取り組む手段があります。その場合、既存の資産(設備、人的資源、販売ルート、技術力、生産ノウハウなど)の強みを活用することで、新規事業開発の成功の確率を高くなります。

時代が激しく変貌しても、以上のプロセスを着実に実行して振り返り、革新を具体的に行うによって、組織や人材は成長し勝ち残っていくのです。

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プロフィール
顧客志向研究所
顧客志向経営研究所

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士です。
顧客志向経営研究所 代表 大草 吾朗 
保険については、MDRT(全世界74か国上位1%の成績基準)達成者です。
現在は中立的な立場で、課題解決に役に立つ情報提供を行うことを理念としてます。
そのほかの主な経歴
・上場直前ベンチャー企業にて採用人事企画の経験
・上場コンサルティング会社での営業経験
・経営改善計画の策定経験(信用保証協会)
営業人材育成・人事分野から事業計画策定を得意としています。

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