市場の高い人材とは(人材育成と個人の価値観であるやりがいの融合)

人事 キャリア

市場価値の高い人材とは、自らでビジネスの価値を生み出せる人材です。会社や組織から離れても、人脈やスキルをもって稼ぐことができる人材です。転職活動をしても、即戦力として高い年収の提示を受けることができる人材です。人材の市場価値を高めるためには、鍛錬と動機付けが必要です。本原稿では、人材の市場価値を高めるために、人材育成と個人の価値観であるやりがいの融合について記載します。

ビジネスパーソンは自社内で力を発揮します。エキスパートになると、環境が変わっても付加価値を生み出すことができます。転職で価値が出るのがエキスパートからです。ビジネスメーカーは、自らの手でビジネスを創り出し雇用も行います。

市場価値の高い人材とは 筆者作成

市場価値の高い人材とは

まず市場価値の高い人材の定義です。人材市場(社内・社外)にも、需給のバランスは存在します。ビジネスを展開するうえで、多方面で必要でありかつ、育成が難しい人材が該当します。

また、市場価値という概念には様々な解釈があります。①自社・組織内②他社・転職③独立・フリーランスでわけて考えていきます。

自社内・組織内

自社の競争優位の源泉になる代えがたい人材です。例えば、ベテランの加工技術者で、機械でできない精度の加工を行います。幅広い販売ルートを持った営業担当で、顧客に対して長年の付き合いがあり、トラブルがあっても顔で交渉調整力を発揮します。新しい技術を生み出す研究者なども該当します。役員や幹部社員も代えがたい人材であるべきです。

自社で代えがたい人材の多くは、他社において通用します。市場価値が高い人材を自社で育成して長期的に貢献してもらうのが、人事戦略の中核です。

市場価値の高い人材の育成

本人が覚醒することが近道です。市場価値の高いあるべき人材像を、自分の将来像に重ね合わせるのです。そのために目標となる、現在において、市場価値の高い人材との交流が有効です。多くの企業にとって悩みなのは、身近な職場や社内に、若手が目標となるべき人材が不足していることです。社内に閉じこもった結果、その場にはふさわしくはなったけれども、他社で活躍したり、市場価値があるとは言えない人材になるということが起こりがちです。

経営資源(人・モノ・カネ)が充実しているとは言えない企業には難しい問題です。2つ方向があります。

経営者・経営幹部が見本(市場価値の高い人材)となるべく成長する。

経営者の自覚が一番です。社員の成長には、経営者の成長が一番です。幹部社員も同様です。自覚があれば、問題は解決に向かいます。自分自身にしっかりと向き合いましょう。過去のビジネスの実績や自己主張は置いといてください。社員は、部下はあなたのことを心から、目指したい姿であると自分の家族や知人に自慢できるでしょうか。多くの人はそうではありません。高い精神性、業務遂行能力、技術力や知識、周りに対する気づかいと人望、ビジネスの実績と人脈。すべては難しいかもしれませんが、社員や部下の成長と戦力化を望むのであれば、まず自分自身から始めることです。

社員教育、交流会、人事制度

外部機関に教育を依頼するのも手段の一つです。自社の常識が世間の非常識であることは大企業でさえ見られます。外部の研修講師は、多くの経営者や社員を見ているので、あるべき姿のさまざまなイメージをもっています。研修の講師の話やディスカッション、事例研究を通じて、自分の目指す姿を覚醒させます。

社外の人脈から、目指したい人材像を求めるのも一つの手段です。業界や取引先の会合に積極的に参加させることを推奨します。ただし、転職のきっかけになってしまう場合もあります。

人事制度で市場価値の高い人材の内容(職務内容、能力、行動、成果)を記述するのも方法の一つです。ただし、現職の幹部が内容(職務内容、能力、行動、成果)と乖離していれば、説得力がなくなります。現職の幹部は心してかからなければなりません。

市場価値の高い人材の職務内容の記述には、例えば以下のようなものがあります。

市場価値の高い管理本部長

管理本部(人事部、総務部、経理部、経営企画室管掌)の責任者として以下の業務を指揮管理を行い、全社に貢献している。資金繰りについては、半年後までは常時予測を行っており、円滑に銀行折衝を行っている。中期事業計画作成の責任者として、業績の予測と事業部評価のPDCAマネジメントサイクルを行い、時代に応じた経営判断を支援している。人事調整会議の司会者として、全社の視点に立った客観的な人事評価を推進している。人材採用教育については、職種ごとのキャリアプランについて熟知しており、事業部が求める人材の採用育成支援を行っている。モチベーションの高くやりがいのある職場づくりの諸施策を指揮している。

他社、転職

市場価値の高い人材は、自社だけではなく、ほかの環境でも通用します。わかりやすい例でいうと、転職サイトやスカウトで提示される年収が、市場価値といえます。また、転職サイトやエージェントで提示される年収例も参考になります。注意すべきは応募者の気を引くために、年収の上限レンジは高めに提示されている場合もあるため、下限が現実と考えた方が良いでしょう。

経営管理(人事、総務、経理)職、最先端の技術者、生産企画、生産管理の専門家、業界で人脈のある営業管理職、新規事業企画、マーケティング企画職などがあげられます。時代によって求められる内容(職務内容、能力、行動、成果)は変動します。今であればAI関連の技術者はトレンドの一つです。グローバル経済の中、海外でのビジネス経験も付加価値になります。ただトレンドに乗っていなくても、自分の得意分野を磨き続ければ、汎用性の高く、様々な職場で通用するスキルとなります。

会社側としては、市場価値の高い人材の流出は、これまでの教育コストや競合へ流れることを考えると多大な損失となります。日本の製造業がグローバルで競争力を失った原因のひとつは、人材の流出でした。

職場などの組織に慣れて、力を発揮するためには一般的には、3年はかかるといわれています。さらに言うと、一つのスキルを市場価値の高いものにまで磨き上げるには10年かかるというのが通説です。言うまでもなく、人材の採用、教育、戦力化には非常に多大な努力とコストがかかります。採用した人材の、想定しない離職ほど組織にとって損失や悪影響を与えるものはありません。

人材の流出を防ぐ方法は、様々ありますが、企業側が理念として、従業員を大事にすることです。希望や思いをよく聴き取り、自己実現の場を提供することです。退職金を自己都合、会社都合で差をつけるのも一つの手段です。詳しくは下記投稿もご参考ください。

給与などの処遇だけではありません。離職の理由は、人間関係が最も多いとされています。職場におけるお互いの気づかい、他部門が円滑に業務を行うための連携、上司や同僚との人間関係など、気持ちよくみんながお互いのために働けるような環境づくりが必要です。職場風土改善についての取り組みの事例は以下の投稿もご参考ください。

独立、フリーランス

市場価値をはかる最も有効な物差しは、独立してどれだけ稼ぐことができるかです。会社の看板がない状況で、どれだけ仕事の依頼があるのか、どれだけ売上利益が上がるかは、人材の市場価値そのものといえます。会社員の時から独立しても通用する人脈やスキルがある場合もありますが、多くは最初自分の無力さを感じることになります。「独立したら仕事出すよ」という言葉はありがたいのですが、話半分に聞いておいた方が良いでしょう。挫折してそれでも這い上がる覚悟があるものが、あきらめずに営業力や、信用、スキル、知識を磨き上げることによって道は開けます。

市場価値の高い人材のまとめ

人材の市場価値を高めるには、環境が重要です。何をやるかよりも誰とやるかが大事であるという言葉の通り、人生の選択肢の中で、志の高い人と交流を心掛けることです。もう一つは、個人の価値観として、自分の使命(生きる目的)とあるべき姿について覚醒することです。日常積み上げていき、実際に行動することです。どんなに素晴らしい環境で、どんなに高名な先生に教わっても、自らが心を開かなければ成長することはありません。昨日よりも今日、今日よりも明日と、よりよくあろうと歩み続けることを心掛けましょう。

プロフィール
顧客志向研究所
顧客志向経営研究所

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士です。
上場企業経営者から、中小企業、個人事業主に至るまで、数百の経営者の相談業務、ファシリテーション、社員教育の実績があります。
中立的な立場で、課題解決に役に立つ情報提供を行うことを理念としてます。

そのほかの主な経歴
・外資系生命保険株式会社に在籍し、顧客課題のヒアリングから法人契約営業近畿地区2位(キングオブキングス賞)

・MDRT(全世界74か国生命保険営業上位1%の成績基準達成)

・上場直前ベンチャー企業にて採用人事企画の経験

・上場コンサルティング会社での営業経験

・経営改善計画の策定経験(信用保証協会 バンクミーティング)

営業人材育成・人事分野から事業計画策定を得意としています。

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