リスクマネジメント・BCP・ウィズコロナ時代の攻めの心がまえ

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企業も人も、無防備でいるときと、備えがあるときでは、不測の事態にあった時の影響度が大きく異なります。また、守りだけではなく将来に起こりえる事態を予測することによって、現在の選択をよりよい未来につなげるプラスのリスクマネジメントがあります。リスクによる被害を最小限に抑えるだけでなく、リスクマネジメントによって行った未来の予測からチャンスをとらえる攻めの心がまえと戦略が行えるのです。本投稿では、守りだけでない攻めのリスクマネジメントについて記載します。

将来の想定されるリスクと機会

地震

日本は、世界のマグニチュード6.0以上の地震の約2割が起こっているとされる地震多発国です(内閣府)。日本全域(九州から北海道にかけて)に、地震の原因になる約2000もの活断層があります。
地下に隠れていて、まだ見つかっていない活断層もあるとされいます。日本は、下記の図のように大規模な地震が発生する可能性が高いといわれている地域だけでなく、どこで、いつ大きな地震が起きてもおかしくない国なのです。

出典 内閣府 防災のページ

東日本大震災

2011年3月11日14時46分頃に三陸沖の宮城県牡鹿半島の東南東130km付近で発生した、東日本大震災は、マグニチュード(M)は9.0でした。日本国内観測史上最大規模、世界でも4番目の規模の地震でした。

被害概要

12都道県で2万2000人余の死者(震災関連死を含む)・行方不明者が発生しました。明治以降の日本の地震被害としては関東大震災、明治三陸地震に次ぐ規模となりました。

社会変動と未来

東日本大震災時の福島第一原子力発電所におけるメルトダウン発生は、日本のエネルギー政策の転換点になりました。圧倒的な力があった東京電力の在り方が見直されました。電力事業の規制緩和により新電力会社が誕生しました。太陽光発電、風力発電、地熱発電などの再生可能エネルギー産業の勃興の一因となっています。

民間においては防災意識の高まりの呼び水になりました。水や備蓄食料、防災用品など開発、需要を生み出すことになりました。また、水素エネルギー開発、自家消費型太陽光発電、蓄電池産業の発展につながっています。

人類の脅威

イギリス教育情報誌「Time Higher Education」は2017年8月31日付で、ノーベル賞受賞者50人に「人類最大の脅威」を聞いた結果を報じています。ベスト3は以下の通りです。

1位(18人) 人口増加、環境問題

国際連合「世界人口予測 ・2019年版 」によると、世界人口は2019年の77憶人から、2030年に85憶人(10%増)、2050年には97憶人(26%)、2100年には109憶人(42%)に達すると予測されています。

また、気候変動により水害など深刻な自然災害が引き起こされる恐れを指摘されています。「氷河期以来、人類は劇的な気候変動に大忙しです。しかし、科学には化石燃料に経済的に依存したシステムを変えるポテンシャルがあります。言い方を変えれば、再生可能エネルギーが化石燃料より安くなれば、人々はすぐに化石燃料を放棄するということです」(2006年ノーベル物理学賞受賞者ジョン・C・マザー博士)

地球温暖化の影響を緩和するために2015年パリ協定が取り決められました。今世紀後半に世界全体の温室効果ガス排出量を実質的にゼロにすること、つまり「脱炭素化」を目指しています。対策に必要な資金・技術などの支援を強化する仕組みを持つ包括的な国際協定です。

環境問題が国際協調の引き金になったのです。また、人口増加は国際的な農業の生産性向上の取り組み、省エネルギーの取り組みを加速させ、周辺産業は活況を呈しています。リスクはチャンスでもあるわけです。

2位(12人) 核戦争

アメリカ、ロシア、中国などの核保有大国同士の戦争は、人類滅亡に直結しています。核保有大国同士もそれは理解しています。各地の紛争は、大国の代理戦争である側面もありました。いいかえると核の脅威が大国同士の直接戦争の抑止にもなっているのです。

核兵器の開発技術が、汎用的になるに従い、北朝鮮や中東などの統治が不安定な地域における核使用のリスクは高まっています。一方において、2021年1月22日に発効予定の核兵器禁止条約などの核兵器廃絶の国際的な動きは進んでいます。

核兵器の脅威は、人類に平和と協調を引き出している側面もあります。核戦争の脅威は、人類に未来に残る価値を問いかけています。

3位(4人) 感染病、ウィズコロナ、薬物耐性

古くは、14世紀に大流行したペスト(黒死病)です、ヨーロッパの人口の人口がおよそ3分の1から半分程度も減少したと言われています。

ノーベル賞受賞者50人に「人類最大の脅威」を聞いた結果は2017年に行われました。その後、予言だったように、2019年に中国武漢で発生した新型コロナウィルスの流行で発現しました。(ウィズコロナ時代の到来)詳しくは下記投稿をご参考ください。

BCP

BCP(Business Continuity Plan )は、災害、戦争、システム障害など外的な危機状況におかれたときに、重要な業務を継続できるように事前に計画をたてておくことです。リスクマネジメントは、一般的には、BCPを内包しているといわれ、外的脅威のみならず、内部的なリスクも管理している手法です。

リスクマネジメント

前の項で説明した人類共通の脅威のみならず、企業経営には幅広いリスクがあります。リスクマネジメントは、危機が発生する前にそのリスクを管理し、組織に与える影響を最小限に抑える方法論を言います下記一覧は企業の取り巻くリスクと対処例です。(人類共通の脅威は網掛け部分)

経営リスクと対処法 筆者作成

リスクマネジメントはホワイト企業認定(企業のホワイト化を総合的に評価する、国内唯一の認定制度)の審査においても設問内容に追加されています。

リスクマネジメントの基本的な進め方

リスクを発見(特定)、リストアップする。

各部門から1名以上が参加する形でディスカッションを行い、全社的にリスクを洗い出します。

ディスカッションの形式(ブレーンストーミング法)

会議方式の一つです。詳しくは下記投稿をご参考ください。

デルファイ法

企業のリスクについて、各部門に回答してもらいます。得られた結果を、フィードバックして各部門の他の方の意見を同じテーマについて回答してもらいます。これを繰り返すことによって、組織的に収束した見解を得ることを目指しています。

チェックリスト分析

過去の事例や実績などに基づいて、今の事業に当てはまるリスクをチェックリストで確認していく方法です。

リスクの分析、評価

リストアップしたリスクに「影響度」と「発生頻度」などを大小を数値化します。優先順位をつけるPIマトリックスでリスク評価を行います。

PIマトリックス

影響度と発生頻度の双方高い、色の濃いセルほどリスクが高いと見ます。

リスクに対応する

リスクの優先順位が設定できたら、高いと評価された順にどのように対策するかを考えます。対応策は下記のとおりです。

リスクコントロールとは、損失の発生頻度と大きさを削減する方法です。

リスクファイナンシングは、損失を補てんするために金銭的な手当てをする方法です。保険等で第三者に金銭的なリスクを移転する(負担させる)「移転」と、資金の積み立て等を行い、損失を自己負担する「保有」に分かれます。

リスクコントロールにより、損失を削減し、リスクファイナンシングを実行することにより効果的な対策となります(以上引用 中小企業庁)

モニタリング及び改善

リスクマネジメントもマネジメントサイクルが大事です。目的が達成できているのかを継続的に検証し、改善することが重要です。定期的にモニタリングと評価を実施してレベルを上げていきます。レベルアップによって、攻めのリスクマネジメントの道が開けます。リスクや脅威は競合他社にも同じように起こりえます。正しくリスクに対処すること自体が、差別化や強みにすることができるのです。

まとめ

本稿では、リスクマネジメント全般についてみてきました。個人も法人も未来を予測して備えることが大事です。よいシナリオと悪いシナリオ双方考えるべきです。悪いシナリオであっても、必ず一方では機会があるはずです。機会に備えるのも攻めのリスクマネジメントです。

プロフィール
顧客志向研究所

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士です。
上場企業経営者から、中小企業、個人事業主に至るまで、数百の経営者の相談業務、ファシリテーション、社員教育の実績
中立的な立場で、課題解決に役に立つ情報提供を行うことを理念としてます。

そのほかの主な経歴
・外資系生命保険株式会社に在籍し、顧客課題のヒアリングから法人契約営業近畿地区2位(キングオブキングス賞)
MDRT(全世界74か国生命保険営業上位1%の成績基準達成)

・上場直前ベンチャー企業にて採用人事企画の経験

・上場コンサルティング会社での営業経験

・経営改善計画の策定経験(信用保証協会 バンクミーティング)
営業人材育成・人事分野から事業計画策定を得意としています。

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