成果のあがる営業プロセスの刷新

営業 事業企画

営業活動は、顧客と商品・サービスをつなぐ最も有力な手段です。商品・サービスの特徴を顧客に伝えるだけでなく、顧客の要望を企業に伝え、商品・サービスの改良や付加価値向上に寄与します。本原稿では、営業活動について、より成果があがり効率的に行うプロセスについて記載します。

理想の販売方法は、商品・サービスに絶対優位性があり、既存顧客からの紹介連鎖での売上拡大です。しかし、情報が一瞬で全世界に拡散される高度情報化社会の中、優れた商品・サービスといえども、模倣や改良のスピードは、より一層早いものとなっています。

同様のサービス・商品がひしめく中、顧客が商品・サービスを選択する基準は何なのでしょうか?

一つ目は、ブランド力です。ブランド力は、広告によるイメージ戦略と顧客満足度の積み重ねで構築されます。ブランド力が顧客のロイアルティの源泉になります。気に入ったブランドから顧客は商品を選びます。安心であり、自分にあっていると感じるからです。

2つ目は、価格と機能のバランスです。その商品・サービスがお買い得だと思えば、顧客は購入に至ります。

3つ目は、営業活動です。営業活動そのものが、商品・サービスの付加価値の一部になり、顧客の購買行動の後押しをします。

営業プロセス

営業プロセスの代表例をあげます。業界は商材によって営業プロセスに若干違いは存在しますが、大まかな共通点は以下の通りです。

営業プロセスとリピートオーダー
営業プロセスとリピートオーダー

営業活動ので最も生産性が高いのはリピートオーダーです。リピートオーダーは顧客満足度から生まれます。さらに顧客満足は、もっとも生産性の高い新規開拓手法である紹介を生み出します。

つまり、営業プロセス刷新の本質的な目的は、顧客満足度向上にあります。

需要喚起

商品・サービスの必要性であったり、利便性、得られる価値について顧客の認識を深めたり広げたりする活動です。2つのポイントがあります。

1つ目はターゲットの選定です。自社の商品・サービスをどの層に訴求していくかの選定とリスト化です。

2つ目は、ターゲットへの訴求する媒体、方法、コストの検討です。見込み顧客が多ければ販売機会も増えますが、訴求するためのコストは増加します。

営業ターゲットとコスト
営業ターゲットとコスト(筆者作成)

曲線には意味があります。需要喚起のためのツール作成に初期コストがかかります。ターゲット数に対するコストは割高になります。一方、あまりにもターゲット数が多いと、1件当たりのコストは下がりますが、ターゲットとしての濃さ(潜在顧客としてのポテンシャル)が薄まる結果となります。

つまり、費用対効果に優れた最適ポイントがあります。ターゲット数にたいするコストと潜在顧客としてのポテンシャルの高さ双方の最適点です。これは商品によっても違いますが、ターゲットに対する需要喚起の数や、方法の最適化を知っているのは、マーケティングにおける強みとなります。

次に、商品・サービス訴求の方法です。消費者向けであれば、テレビなどのマスメディアです。ターゲットを地域に絞りたいのであれば、新聞チラシ、ポスティングなどです。ホームページも有力です、インターネット、SNS広告も、近年ますます存在感を増しています。

商品・サービスごとの費用対効果の高いメディアミックスを活用できることも、マーケティング活動における競争優位の強みです。

営業活動による需要喚起は、高額の商品・サービスや、カスタマイズが必要な商品・サービスに威力を発揮します。需要を喚起する方法としては、直接顧客と対話するのが一番強力です。一方では、営業活動のコストを見合う付加価値をつけなければなりません。

付加価値とは、顧客の信頼、安心感、アフターフォロー、わかりやすい説明、商品・サービスのより良い活用方法などです。

もう一つ営業活動に重要なプロセスがあります。潜在的にある顧客ニーズを顕在化する話法です。

様々な話法がありますがその一例をあげると、顧客に商品購入後の満足を得られた状況を想像させることです。この商品を購入後、~という状況が得られますよという期待感を抱かせます。

もう一つは、不安感をあおる話法です。保険などでよく利用されます。あなたががんになることでこんなにお金が必要になりますよ、などです。

いずれに話法にしても、自然の会話の流れが大事です。相手の状況を見て話法をおりこんで行かなければ、見込み顧客との関係性が悪くなる可能性があります。

引き合い

需要喚起の次は、ターゲットである見込み客が、商品やサービスに関心がある引き合い状況です。この段階では、ニーズは顕在化しているものの、代替商品・サービスや競合製品との選択前の段階です。

自社の製品・サービスを選択してもらうためには、逆説的になりますが。顧客の話をしっかり聞く必要があります。一部の商品については短期的にみると、こちらから積極的に商品をアピールするほうが業績があがりますが、紹介が出ず、見込み顧客はすぐ枯渇します。

顧客のニーズをしっかり聴くことで、顧客の提案内容がより高品質なものになります。また、ニーズを把握することが他社との差別化につながるのです

場合によっては顧客のためには、購入しない、または他社製品をすすめるゆとりがあれば、顧客の信頼を勝ち得ることができます。そして信頼された顧客からの紹介で、見込み顧客がの広がりが期待できます。長年好業績の営業の多くはこのパターンです。

顧客のニーズをしっかり聴く方法は、仮説検証と傾聴のスキルです。

仮説検証とは、事前に顧客について可能な限り情報収集します。そのうえで、顧客課題について仮説を考えます。仮説があると質問事項もできますので、ヒアリングしながら検証を行います。

もう一つの傾聴のスキルについては、下記投稿をご参考ください。

商談

商談では、顧客への商品・サービスの提案や価格の提示を行います。価格調整や納期について、顧客や社内、そして仕入れ先との調整を行います。商談の中で決めごとをしっかり行うことが大事です。このプロセスで必要とされるのは、調整力と折衝力です。関係者の事情をよく勘案して、スムーズにいくようにコミュニケーションをとる必要があります。

大型の商談や、特注品であるほど商談のプロセスに時間と労力が要求されます。顧客は、購入に前向きで積極的なので、顧客とのコミュニケーションの中で関係性を深めるチャンスです。

また、この商談プロセスの中で、顧客ニーズにマッチした新商品開発の機会が得られることがあります。

多くの優れた新商品は、顧客ニーズを商品開発部門に熱意を持ってフィードバックする営業活動から生まれました。

成約

顧客の不安要素や迷いを一つ一つ解消しながら、決断してもらうように意思決定を促します。遠慮はいりません。自信があればしっかり、顧客の背中を押してあげましょう。

「こちらから連絡する」といわれたら、断りだとみるべきです。そうならないため、各プロセスを振り返りましょう。ニーズが聞き出せ、解決先を提示し、条件があえば購入に至るはずです。迷いや返事があるということは、プロセスのどこかに問題があったということです。

相手が法人の場合は、意思決定者へのアプローチが大事です。窓口の担当者から決裁者への稟議の作成するための支援をしましょう。稟議用の資料はこちらで準備させてもらえるくらいの信頼関係を作りましょう。できれば競合との比較資料も作成支援することができれば、成約の確度はあがります。

納品

購入決定後は、契約内容の最後の調整を行います。トラブルにならないように、誠実に説明と調整をします。商品の手配、納品まで営業としてフォローすることによって、顧客満足度が向上します。

納品は、基本的には立ち会うべきです。トラブルの際にはすぐに対応できます。疑問点や不安解消の役に立ちます。

納品まで顧客に寄り添うことによって、顧客満足度の向上が図れます。顧客満足度の向上が、営業活動において最も生産性の高いリピートオーダーにつながります。

まとめ

今回、標準的な営業プロセスについてみてきました。営業の数字があがらないのは、どこかのプロセスに問題が生じているからです。各プロセスの計画→実施→検証→改善行動のマネジメントサイクルによって、営業プロセスの刷新ができ、業績向上につながります。

プロフィール
顧客志向研究所
顧客志向経営研究所

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士です。
上場企業経営者から、中小企業、個人事業主に至るまで、数百の経営者の相談業務、ファシリテーション、社員教育の実績があります。
中立的な立場で、課題解決に役に立つ情報提供を行うことを理念としてます。

そのほかの主な経歴
・外資系生命保険株式会社に在籍し、顧客課題のヒアリングから法人契約営業近畿地区2位(キングオブキングス賞)

・MDRT(全世界74か国生命保険営業上位1%の成績基準達成)

・上場直前ベンチャー企業にて採用人事企画の経験

・上場コンサルティング会社での営業経験

・経営改善計画の策定経験(信用保証協会 バンクミーティング)

営業人材育成・人事分野から事業計画策定を得意としています。

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