GAFAとはアメリカの巨大IT企業であるGoogle、Apple、Facebook、Amazonの4社の頭文字をとってつくられた言葉です。本投稿では、短期間で急成長を遂げたGAFAの歴史や成功要因、改革の歴史、今後の課題について記載します。
GAFAはプラットフォーム
GAFAはプラットフォームを提供しています。あらゆる企業や億単位の一般ユーザーがITを活用する際に、スタンダードとして利用されるサービスを提供しています。2021年8月末にはGAFA4社の時価総額が、日本株全体の時価総額を超えたことがニュースなりました。
アップル(Apple)
市場を創造し半歩先の未来をクリエイトする、優れた商品を生みだし続けています。後発に対しても、独自のブランド戦略で低価格競争を回避しています。
アップル(Apple)盛衰の歴史
1976年にスティーブン・ポール・ジョブズらによって創業されました。
1977年発売した「Apple II」は商業的に大ヒットしました。パーソナルコンピュータという概念を、世間一般に浸透させました。
1984年に先進的なGUIやマウスを持つコンピュータ「Macintosh(マッキントッシュ)」を発表しました。
⇔1985年MicrosoftはWindowsの最初のバージョンを発売しました。
マッキントッシュは発売から数カ月後には深刻な販売不振におちいりました。1985年ジョブズはCEOのジョン・スカリーによって全ての業務から解任されました。
マッキントッシュとマイクロソフトのとの差
マッキントッシュは、グラフィカルユーザインタフェースを使用するソフトウェアの書き方を習得する必要がありました。
マイクロソフトとはライセンス料などのアライアンス(協業)・マーケティング戦略で差をつけられたとされています。
1985年マイクロソフトのビル・ゲイツはジョブズが去ったアップル経営陣への手紙を出しました。
「AT&Tやヒューレット・パッカード、ソニーなど有力メーカーにMacintoshのOSをライセンスするべきで、ゲイツ自身もその手助けを惜しまない」
→技術陣からの猛反対を受けてこの提案は闇に葬られました。
マイクロソフトに対してGUIに対する対価を求めて裁判を起こしましたが、Appleに対して不利な裁定がくだりました。
M&A・アライアンス(提携)戦略にたけたマイクロソフトとの差が鮮明になり、スティーブジョブズ復帰(1997年2月)まで長期にわたる業績は低迷を続けることになりました。
ジョブズのアップル復帰
1997年ジョブズが暫定CEOになった時点での赤字は10億4000万ドルで、大胆なリストラを強行しなければ、一時はあと90日で倒産の危機に陥りました。
ジョブズは、士気を上げるため従業員のストックオプションの引き下げを取締役会に提案しました。しかし、取締役会がこれを否定すると、ジョブズは取締役全員に辞任を迫りました。結局、マイク・マークラを含む取締役陣は、そのほとんどが辞任しました。ジョブズ体制が構築されることになりました。
ジョブズは1997年8月、長年の懸案だったマイクロソフトと特許のクロスライセンスおよび業務提携を結びました。マイクロソフトはAppleに対し1億5000万ドルの出資を行いました。
1998年、PowerBook G3を発表。複雑な曲線を多用した斬新なデザインは従来のPowerBookと一線を画すものであり、ジョブズの製品に対する美意識が現れた初めての製品といわれました。
2000年1月、ジョブズが復帰し業績を挙げた結果、2年半でAppleの市場価値が20億ドルから160億ドルへ急上昇しました。
2001年、それまで主流だったフラッシュメモリ型とは一線を画す、大容量ハードディスクドライブ型携帯音楽プレイヤー『iPod』を発表しました。廉価版ともいえるiPod miniを登場させたことで、爆発的にヒットしました
2003年には、音楽配信サイトのiTunes Music Store(現在のiTunes Store)を開始しました。
2004年には、iPodをヒューレット・パッカードにライセンスするなど、携帯音楽市場で、米国を中心に独占的な地位を確保するに至り、既存の音楽産業の構造を根本から変えました。
2007年1月9日、Appleは新製品iPhone(高機能携帯電話+iPod+インターネット端末)を発表し、スマートフォン市場を創出しました。
2010年1月28日、Appleは新製品iPadを発表し、タブレット分野に進出しました。
2018年8月2日に民間企業として世界で初めて時価総額1兆ドルに到達しました。2020年8月19日に時価総額2兆ドルを超え、2022年1月3日に世界で初めて時価総額3兆ドルを超えました。
アマゾン(Amazon.com)
世界最大の流域面積を持つアマゾン川から「地球上で最も豊富な品揃え」という企業概念で運営をしています。顧客がつけるレビューによって宣伝のコストを減らして流通に専念し、「地球上最大の店舗」になろうとしています。
アマゾンの盛衰の歴史
1994年ジェフリー・ベゾスが自宅のガレージでAmazonを起業しました。起業の動機は電子商取引の年間成長率を2,300パーセントと予測する、インターネットの将来についてのレポートがきっかけです。
1995年オンライン書店としてのサービス開始しました。
差別化:書店は最大規模のものでも15万種類の本しか販売できませんが、オンラインの書店では既刊の書籍すべてを取り扱うことも可能としました。
1997年にはNASDAQに上場しました。
アマゾンは、生み出した利益を先行投資に回し「10年近く赤字経営を続けてきました。
→メルカリ(2021年6月期の2013年創業以来初めての黒字)も同様のスタイルです。
利益を出して留保するよりも、ECサイトにおけるブランド構築のための投資を重視しました。
(マクドナルドと同様、ビジネスモデルに他社がコピーできないような特色はないとしています)
消費者の行動を理解することが大事という考え方に基づき、顧客を管理し、消費者の行動をリアルタイムで可視化し、分析できるようなシステム作りなどに投資を続けてきました。
2001年アメリカ同時多発テロ事件、ITバブル崩壊となる一方、2001年第4四半期、Amazonは開業以来初めて利益を計上しました。
以降アマゾンは、急成長を遂げています。
創業以降のアマゾンの業績推移
グーグル(Alphabet Inc.)
世界のPCの検索の内がグーグルは85%を占めます。現代人の知識の源と言えます。世界中の人々からもっとも多くの質問をされています。グーグルは使われるほどに価値を増し、日々検索の精度は向上しています。
グーグルの急成長を支えたOKR(目標と成果指標)については、下記投稿もご参考ください。
グーグル創業の背景
1998年スタンフォード大学のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって創業されました。
グーグルの経営理念(ミッション・ステートメント)は「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」としています。
グーグル前の検索はカテゴリにわたるハイパーリンク方式、検索されたキーワードがそのウェブページに登場する回数によって各ページをランクづけされていました。
それに対してグーグルは、サイトへのリンクを貼っているウェブページの数と、それらのウェブページの重要度(品質)の2つを評価するようにして、検索品質を向上させました。
現在に至るまで技術開発によって、コアアップデートを定期的に行い、多量のデータにおけるスパム・リンク対策とユーザー検索品質の探求を続けています。
またグーグルは、M&A、パートナーシップ(協業)により急激な成長しました。
・Eメール(Gmail)・オンライン・オフィススイート(Google ドキュメント)・ウェブブラウザ(Google Chrome)等です。
2007年時点で100万台以上サーバーをデータセンターで運用しています。
・1日に10億以上の検索クエリー・1日にユーザーが作成する24ペタバイト(24×1125兆バイト)のデータ を処理しています。
2015年にはGoogleは多様化した自社の事業を「Alphabet」と呼ばれるコングロマリットとして再編しました。
2016年時点で、Google.comは世界でもっとも訪問者の多いウェブサイトとなりました。
フェイスブック(Facebook, Inc) メタ・プラットフォームズ
世界で29億人がフェイスブックのユーザーとなっています。普及率と使用率でいえば人類史上類をまれな成功したSNSです。
フェイスブックの経緯
2004年、ザッカーバーグはハーバード大学の学生が交流を図るための「The facebook」というサービスを開始しました。(本人の登録制) 「同じようなサイトが欲しい」との要望に応え、いわゆるアイビー・リーグの学生にも開放しました。
2006年初頭には全米の高校生に開放し、2006年9月までには一般に開放され、有効なメールアドレスさえあれば世界中の誰もが利用できるようになりました。
Facebookに最初に採用されたエンジニアのスティーブ・チェンは、ビデオサイトを作るために退職し、YouTubeの共同創業者となりました。
2007年、マイクロソフトが広告に関する独占的契約を結び、Facebookに2億4000万(約264億円)ドルを出資し、同社の株式1.6%を取得しました。
2009年、世界最大規模のSNSサイトとなりました。
2010年、アクティブユーザが、全世界で5億ユーザを突破しました。
2012年、180ペタバイト(180×1125兆)のデータを持ちました。
2021年Facebook, Incが社名をメタ・プラットフォームズに変更しました。
2021年第4四半期(10〜12月)フェイスブックのメタバース:拡張現実(AR)および仮想現実(VR)事業は1兆円超の営業赤字となりました。しかし、本格的な普及は5-10年後を見据えています。
まとめ
GAFAの株式時価総額(2022年2月末時点)
上記図の通り、1994年以降に創業されたGAFAは世界の株価時価総額ランキングにおいても、上位を占めています。時代の移り変わりのはやさとビジネスにおけるIT活用の必要性が増していることの証明といえます。これからの経済・ビジネスにおいては、時代を先取りするITビジネスモデルを考案することが重要です。
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