SPIN話法とは トレーニング法 具体例 研修

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SPIN話法とは、顧客の潜在ニーズを引き出すヒアリングのフレームワークです。 状況質問(Situation)、問題質問(Problem)、示唆質問(Implication) 、解決質問(Need-payoff)の 順に展開していきます。本投稿では、SPIN話法のトレーニング法、具体例、ヒアリングシート、研修について記載します。

SPIN話法とは 背景

SPIN話法(スピン話法)は、考案者である行動心理学者のニール・ラッカム氏(英)の「SPIN」営業術で著名になりました。

デジタルマーケティングの時代において、顧客は情報を簡単でネットやクチコミ、動画、チャットポットで多面的に得ることができます。対面営業においてこれからの時代ますます重要になるのは、一方的に説明するのではなく、ユーザーの潜在的ニーズを引き出し、顧客の課題解決に寄り添う質問のスキルです。

SPIN話法は、Situation (状況質問)、問題質問(Problem)、示唆質問(Implication) 、解決質問(Need-payoff) の順で行い、顧客の潜在ニーズを引き出し商機を広げます。

SPIN質問の目的・効果

顧客が自分で情報を収集する時代

インターネットの普及とグーグルをはじめとする検索エンジンの登場により、顧客は、全世界からリアルタイムで整理された情報を収集できる環境になっています。

営業シーンにおいても、顧客が事前に商品情報を入手しているケースが多くなりました。

商談の場において、一方的に商品の説明をしても、顧客がすでに知っていたり、関心が別あるケースであると、契約どころか関係性さえも危うくなります。

まずは、顧客のあるべき姿、課題、悩み、関心事を聞き出すことが、営業プロセスにとって重要です。

営業プロセスについては下記投稿もご参考ください。

付加価値の高い提案型営業

顧客のあるべき姿に寄り添い課題解決する提案営業は、長期的な顧客との信頼関係に結びつき、付加価値が高く会社や営業としての個人の信頼性向上に役に立ちます。提案営業を行う上で、ヒアリングによって顧客を理解し情報を収集することは不可欠です。

ニーズ(目的)とウォンツ(手段)

ニーズは目的であり、ウォンツは手段です。

例えば、「おなかがすいた」(目的)はニーズであり、「定食を食べたい」(手段)がウォンツです。目的であるニーズは抽象的な概念で、手段であるウォンツは具体的です。抽象的より具体的な方が話しやすいため、顧客の話の多くはウォンツです。

すでに具体化しているウォンツではなく抽象的な顧客ニーズを把握することによって、顧客と営業にとってよりよい様々な選択肢を提案することができます。

例えば、「おなかがすいた」顧客に、商談に適したロケーションでの、ランチミーティングを提案するなどです。

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顕在ニーズと潜在ニーズ

顕在ニーズは、顧客が欲しいモノ・サービスを自覚しています。何が欲しいかを明確に説明できる状態です。

潜在ニーズは、顧客に明確な自覚がなく、何が欲しいかを意識していない状態です。

ヒアリングによって顧客自身が意識していなかった潜在ニーズを引き出した場合は、思いがけない顧客課題解決につながり、営業は信頼を得ることができます。SPIN話法で潜在ニーズを引き出した営業は契約を得やすくなります。

例えば、「帳票の二重入力をなくして、業務を効率化したい」が顕在ニーズだとすると、潜在ニーズは、「経理業務の事務負担が多大で、残業が多く離職が続いていることを改善したい」が潜在ニーズです。この場合、2重入力の事務負担が、結果として社員のモチベーション低下と社員の離職につながっていることをヒアリングで顧客に気づいてもらうことで、帳票の二重入力を解決するIT提案の価値が上がり、顧客の信頼が高まる結果となります。

顧客に気づきを促す

SPIN話法の効果として、顧客自身に課題や問題点の気づきを促すことがあります。課題、問題点を放置することによる、マイナス面を考えさせることによって、課題解決のアクションへと導いていきます。そのアクションが、時には自社商品やサービスの購入につながります。あくまでも、気づき、考えるのは顧客ですが、SPIN話法の会話の流れで期待できる効果です。

SPIN質問の例

状況質問(Situation)

状況質問(Situation) は、相手の現状について質問し、客観的な事実を収集します。問題質問につながるように、相手の状況を把握します。

状況質問の例

・お客様の家族構成はどのようでしょうか。

・株式、投資信託、不動産など預金以外の資産投資されていますか。

・基幹系システムはどのようなパッケージを導入されていますか。

注意点は人間関係ができる前に、必要以上に質問攻めにしないことです。よく知らない人に、何の理由があるかわからない段階で、あれこれ聞かれれば、警戒されたり、場合によっては不快感を与えるときがあります。

初対面の場合は、「お客様により良い情報提供を行うために、いくつかお伺いしたいことがあります。よろしいでしょうか?」質問する目的、お客様のためにという趣旨、事前の了承を得ておくとよいでしょう

問題質問(Problem)

問題質問(Problem)は、相手の問題点や課題を引き出す質問です。洗い出したい問題点・課題に対して仮説を立て、YES・NOで答えられる質問にすれば、答えやすいでしょう。

問題質問(Problem)例

・現在の保障の内容を把握できていますか?

・低金利預金だけのため、インフレ対策の必要性を感じませんか?

・システムの連携ができていないため、二重入力で手間を感じませんか?

問題質問で、手持ちのソリューションや商品で解決できる問題点・課題を引き出すことができれば、提案へのストーリができます。但し、あまり誘導的だと相手に悟られないように、自然の会話の流れで、できればよりよいでしょう。

YES・NOで答えられる質問をクローズドクエスチョンと言います。クローズドクエスチョンについては、別の投稿にて詳しく解説する予定です。

ビジネス
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示唆質問(Implication)

示唆質問(Implication)は、相手の問題・課題を解決する必要性に気づいてもらうための質問です。問題・課題を放置したときのデメリットやリスクについて自覚してもらうように質問します。

示唆質問例

・このまま年齢が上がると保険料が高くなって払えなくなりませんか?

・インフレになると、資産が目減りするかもしれませんね?

・現在のシステムのままだと業務効率が低下して、競争力が落ちませんか?

リスクを感じてもらうことで、相手の関心や、購入検討意欲を刺激します。

解決質問(Need-payoff)

解決質問(Need-payoff)は、相手を解決策に導き、商品・サービスのメリットに関心を持ってもらうため行います。自社商品を前面に押し出すまえに、相手に解決した姿のイメージしていただくことで、スムーズに提案につなげます。

解決質問(Need-payoff)例

・月額保険料が変わらない方が、将来の負担が減りませんか?

・グローバルの分散投資をすれば、インフレリスクを低減できると思いませんか?

・データ連携ミドルウェアを導入すれば、二重入力がなくなり、画期的に業務効率化はかれませんか?

提案したい商品・サービスを質問という形でメリットを伝えます。最終的な目的は販売ですが、相手のために質問していると感じさせる話法が、解決質問です。

課題解決型のソリューション営業については、下記投稿もご参考ください。

SPIN話法のヒアリングプロセス

SPIN話法の事前準備

準備が、商談成否に大きく影響します。

相手の情報を可能な範囲で収集します。年齢、性別、所属組織、年収、家族構成、趣味嗜好、過去の接触履歴、前回の商談内容、相手が法人であれば、会社概要などホームページや有価証券報告書を確認します。

準備を行ったかどうかは、自然と相手にはわかるものです。少なくとも熱意は伝わります。特に、調べればわかることを質問しないことも大事です。

得たい情報や商談シナリオを準備できれば、より効率的に商談を行うことができます。

相手の姿勢にもよりますが可能であれば、事前にご準備頂きたい資料や情報をメールで知らせておけば、なおよいでしょう。

打ち合わせ
打ち合わせ

相手の把握

商談といえども、いきなり商材の説明から入らないようにします。見込み顧客がすでに知っていることかも知りませんし、知らないとしても興味のポイントと違う可能性があります。

様子を伺いながら、徐々に相手の情報や関心事を聞き出すようにします。

またSPIN話法は、質問のスキルですが、いきなり質問責めにしないようにしましょう。人によっては不躾ととられる可能性があります。

自社と相手の関心事をつなぐ架け橋となるように、SPIN話法を駆使しながら商談を進めます。

商談のゴール

商談のゴールを意識することも大事です。状況に応じてゴールは変わります。クロージンクのこともあれば、ヒアリングを終えて、次回提案のためのスケジュールを抑えることもあります。相手の対応にあわせて臨機応変に対応しながら、双方にとって満足いくゴールをめざしましょう。

その他の質問力の活用

SPIN話法をはじめとする質問力は重要なビジネススキルです。その他の質問力全般について詳しくは、下記投稿もご参照ください。

SPIN話法の事例

Aさんは会社に就職したときに、会社に出入りしていた保険のセールスにすすめられるままに、生命保険を加入していました。それから、10年たち保険の更新のタイミングで、同じ生命保険の違う営業担当者から、同じ保障を継続するためには保険料がアップするとの連絡を受けました。保障を抑えたプランも持ってきてくれたのですが、これを期に第3者(銀行の保険窓口)の意見を聞いてみることにしました。

保険担当B「〇〇銀行 保険担当のBです。どうぞよろしくお願いいたします。」

Aさん「Aです。よろしくお願いいたします」

保険担当B「現在加入している保険の相談等いうことで、ご足労頂きありがとうございます。今日は仕事はお休みですか」

Aさん「はい。」

保険担当B「たまの休みもいいものですね」(笑顔)「普段はどのような仕事をされているのですか」  状況質問(Situation)

Aさん「システムの営業の仕事をしています」

保険担当B「そうなんですか、難しい仕事をなさっておいでなのですね」「ご家族はいらっしゃるのですか」状況質問(Situation)

Aさん「家族は両親だけで、独身です」

保険担当B「ありがとうございます。独身貴族とというわけですね」(笑顔)「独身の方は、比較的保険の内容が薄くて済むといいますが、現在の保険の保障の内容を把握されておられますか」問題質問(Problem)

Aさん「10年ほど前に加入して、たしか2000万円の死亡保障だったとおもうのですが、よくわかっていないです。しかも、今度更新で料金が上がるみたいで」

保険担当B「そうなんですか。保険料はいくらお支払いですか?」

Aさん「月額23000円だったと思います」

保険担当B「月23000円だと、年間27万6000円、10年間で276万円ですね。ここから保険料が上がると、生涯でかなりな保険料を支払うことになりませんか」示唆質問(Implication)

Aさん「本当ですね。びっくりです」

保険担当B「将来の資産形成になり、保険料も保障も一生涯変わらない保険があれば、今後の保障と保険料支払いの見通しもたつのではないでしょうか?」解決質問(Need-payoff)

Aさん「おっしゃる通りです。ぜひ、案内してください」

SPIN話法の研修・トレーニング法

お客様の業界や業種にあわせたSPIN話法の研修とトレーニングを実施しています。見積、企画提案は無料です。気軽にお問い合わせください。

合同会社顧客志向

まとめ

SPIN話法は、潜在ニーズを掘り起こすために効果が期待できます。他の話法と利用シーンや用途を使い分けながら、顧客に寄り添った営業力を高めましょう

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