経営理念とは 浸透と活用 事例

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経営理念とは、経営するうえで守るべき精神や行動の方向性を明文化するものです。経営理念は、意思決定や会社を継続していくうえでの指針となります。創業の精神であったり、経営の目的と言い換えられることもあります。本投稿では、経営理念の活用、事例、その他の用語との違い、経営理念を浸透させる方法について記載します。

経営理念の浸透方法と活用

経営理念を浸透

  • 朝礼で経営理念を唱和する。
  • 経営戦略の策定指針として、経営理念を活用する。
  • 社内における経営理念の大切さ、内容、行動事例の勉強会を実施する。
  • 経営理念の実践度あいをみる、評価制度、人事制度の企画運用。
  • 経営トップによる経営理念を交えた講話、WEB開示、動画収録。
  • 経営理念に関する冊子の印刷、関係者(従業員・取引先・採用候補者)への配布

経営理念の浸透させることによって、経営における価値観の共有と実践ができます。

経営理念の活用

  • 経営難やトラブル時の対処の指針
  • 人材登用における評価材料(経営理念の理解、実践度合い、周囲への影響力)
  • 人材採用における判断基準(経営理念に共感をもって行動できるか)

経営理念は、マネジメントにおける価値基準として活用します。

経営理念の事例

株式会社日本レーザーの経営理念

第一回中小企業長官賞、第3回ホワイト企業大賞を受賞した株式会社日本レーザーの経営理念

「当社は、この美しい地球を未来に残すという基本的な考えのもと、全従業員が、全ての職場で環境保全の活動を実践し、常にお客様の満足向上を目指した製品、サービスを提供し、社会に貢献します。」

ANA グループの経営理念

2021年フォーチュン誌、「世界から最も称賛される企業」ランキング68位のANAグループの経営理念

「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します」

経営理念とその他の類似用語の違い

経営理念は、長期にわたって受け継がれる企業の存在意義や、経営の目的を表します。様々な定義や解釈がありますが、厳密ではありませんが一般的な使い分けは以下の通りです。

経営理念と企業理念の違い

経営理念(Management Philosophy)と企業理念(Corporate philosophy)の違いは、一般的に経営理念はManagement(経営)であり、社内的な浸透を狙いとしています。企業理念は、Corporate(企業)であり、対外的なメッセージの意味合いがあります。

経営理念、クレド、社是、パーパスの違い

経営理念、クレド、社是は、おおむね同じような使われ方、意味合いを持ちます。

クレドは、クレド(Credo)は語源はラテン語です。企業全体の従業員が心がける信条や行動指針のことを指します。

社是は、企業経営をしていくうえでの基本方針です。経営理念の上位概念として社是を置く場合もあります。

パーパスは経営の目的、存在意義を表します。パーパスは社会性を重視します。パーパス経営については下記投稿をご参考ください。

経営理念と経営ビジョン

経営ビジョンは、経営に理念のもと、企業の目指す将来のあるべき姿と定義します。

経営理念 経営ビジョン 経営戦略の関係
経営理念とビジョン経営戦略の概念

経営ビジョンの事例

100年近くの業歴を誇る柴田化学株式会社

For the Customer

研究開発者の夢の実現をサポートをし、技術と品質と信頼で科学技術の発展に寄与するオンリーワン製造業になる。

For the Earth

きれいな空気と水に満ちあふれた緑の地球を守るため、環境保護の重要性を認識したリーディングカンパニーになる。

For the Employee

社員の幸福を祈り働きがいのある明るい職場を創造する。

経営理念と経営戦略

経営戦略は経営理念、経営ビジョンを実現するための戦略と定義しています。経営目標は、経営ビジョンもしくは、経営ビジョンの中で、一定の期限を決めた経営ビジョンの中の数値目標です。例えば、ビジョン2025年という表現をします。

例としては、「2025年には、○○の分野でリーディングカンパニーになり、売上××億、利益2億を達成します」と記載されます。

経営戦略(経営ビジョンを実現するための戦略)をここでは3つの要素にわけます。

企業ドメイン

企業ドメインとは、どのような領域で事業活動をしていくか、自社の戦う事業領域を自ら決めるという定義にしています。

企業ドメイン(事業領域)も決まってきます。

企業ドメインの設定には次のアンゾフの成長マトリックスも有効なツールです。市場と事業、製品、サービスを同時に分析することができます。

アンゾフの成長マトリックス
アンゾフの成長マトリックス

左上の市場浸透戦略は、既存市場においてシェアを上げる方針です。足元を固めます。顧客とのリレーションを深めることを通じて行います。

左下の新市場拡大戦略は、営業の新規開拓です。こちらについては以下の投稿をご参考ください。

右上の新事業、製品、サービス開発戦略は、既存の顧客に新しい価値を提供します。顧客との関係を活用して、新たな商材を開発します。

右下の多角化戦略は、新市場に新しい付加価値を提供します。既存事のノウハウの活用は、あまり期待できません。M&A(企業買収)や中途採用や外部コンサルタントによる知識、経験、スキルの導入を通じて行われます。新しい市場ドメイン、可能性の広がりがある一方、過去の経験が活かしにくいのでリスクも伴う戦略です。

経営計画

経営計画は、企業を構成する(1)ヒト(2)モノ(3)カネなどの経営資源を、将来にわたってどのように配分し、どのようにヒトが行動するかによって、目標を達成する道筋を表現することをさしています。経営計画には、次年度予算書や中長期経営計画などがあります。

経営計画を策定する前に、通常環境分析を行います。環境分析でよく使われるのがSWOT分析です。

クロスSWOT分析
クロスSWOT分析

SWOT分析については下記投稿をご参考ください。

経営計画において策定するものの例は次の通りです。

予想損益計算書

決算書の損益計算書と同じ形式で作成します。企業ドメインに基づいて、誰に、何を、いくらで、どのくらい販売するかの販売計画から、売上の予測を立てます。

売上に対して仕入れや製造原価などの原価を予測し、売上総利益を算出します。そのほか、販売費及び一般管理費について、人件費や賃料、水道光熱費などの経費を予想し、営業利益の見通しを計画します。

予想貸借対照表

予想貸借対照表では、設備投資の償却や法人税などの勘案して、資産や負債、純資産の見通しを予想します。予想貸借対照表によって、将来の株価(純資産やその他の評価方法)を算定することに利用します。

アクションプラン

アクションプランでは、戦略課題をブレークダウンし、どのような体制で、いつまでに、だれが、どれだけ、どのように行動するのかを記載します。

アクションプラン
アクションプランの一例

設備投資計画

設備投資計画では、いつ、どのような設備を、なんために、どのくらいの効果を狙って、資金源はどのように調達して、いくら投資するかを記載します。

組織人員計画

組織人員計画では、経営戦略を実行する予想組織図と、各組織に割り当てられた部門のミッション、人件費計画、めざすべき人材の定義と成長のストーリー、評価制度について記載します。

資金計画

資金計画では、売上の回収期間、仕入れや経費の支払、投資などから資金繰り状況の予想を行い、資金の調達や借入金返済計画などを策定します。

コアコンピタンス

コアコンピタンスとは顧客に特定の利益をもたらす技術、スキル、ノウハウの集合です。顧客に利益をもたらし、競合との差別化になる企業の強みであるともいえます。

コアコンピタンスが顧客の提供価値をもたらし、企業継続に必要な利益を生み出します、コアコンピタンスを磨き上げることが、重要な経営戦略の一つです。

まとめ

経営戦略を立てたとしても、実行され、効果が検証されなければいけません。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)の 4段階を繰り返すマネジメントサイクルによって、環境の変化や時代に対応した経営戦略を行うことができます。

経営理念から経営戦略は、企業の根幹となす考え方です。場合によっては内部での行動指針だけではなく、銀行や投資家に開示して、企業活動の理解を促進するものです。

経営理念と経営戦略を明確化することによって、企業活動の一層のレベルアップをはかることができますのでご活用ください。

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