ビジネスコミュニケーションとは、社員間や取引先(仕入、顧客)対応、接客などの仕事上のコミュニケーションのことです。ビジネスを動かしていくためには、人と協調したり、調整したり、折衝する必要があります。この記事は、仕事を円滑に進めるための、ビジネスコミュニケーションのスキルや研修について、記載します。
ビジネスコミュニケーションの目的・重要性
情報共有
組織として活動するために、持っている情報を共有し、活用するためにビジネスコミュニケーションを行います。報連相の内、報告連絡は情報共有を目的とし、ビジネスコミュニケーションの主要な目的です。
報連相について詳しくは、下記投稿もご参考ください。
業務の円滑化
ビジネスプロセスは一人で完結することはほとんどありません。顧客、他部門、同僚、上司、仕入先、地域社会と様々なかかわりの中で遂行されます。ビジネスコミュニケーションを通じて、相互理解が進み、関係性の潤滑油としての役割を果たします。
信頼と企業価値向上
ビジネスコミュニケーションを誠実に、真摯に行うことを通じて人脈の形成と、企業の資産となる信頼関係が築くことができます。また、経営管理やマネジメントは、ビジネスコミュニケーションを通じて行われるために、企業価値を高めるために欠かすことができないツールと言えます。
従業員エンゲージメントの向上
ビジネスコミュニケーションによって、一体感が生まれ会社に対する信頼感や帰属意識、貢献したいという意欲が生まれます。
従業員エンゲージメントのついて詳しくは下記投稿もご参考ください。
ビジネスコミュニケーションのスキル
ビジネスコミュニケーションを円滑に行うためにはスキルには以下のものがあります。
PREP法:話す内容を論理的に伝えるスキル
ビジネスコミュニケーションにおいて、自分の考えを論理的に伝える方法にPREP(プレップ)法があります。①Point(結論)②Reason(理由)③Example(実例・具体例)④Point(結論)以上の構成の順で伝えることで、論理的にわかりやすく話を伝えることができます。
PREP法について詳しくは、下記投稿もご参照ください。
SDS法:話す内容を簡潔に伝えるスキル
SDS法は、自己紹介や人を紹介するときに用いられます。①Summary(要点):全体の概要②Details(詳細):具体的な説明③Summary(要点):最後のまとめ 以上の順で話を組み立てると、簡潔に相手に話を伝えることができます。
質問のスキル
質問のスキルは、不明点や疑問点などを問いかけるコミュニケーション能力です。
情報収集や相手の気づきを促したり、様々なビジネスシーンで役立ちます。
質問のスキルには、相手が答える範囲に制約を設けず、自由に答えてもらうようなオープンクエスチョンと、相手が「はい、いいえ」や限られた選択肢で答えられるクローズドクエスチョンがあります。
質問力について詳しくは、下記投稿もご参照ください。
アサーティブコミュニケーションのスキル
長期的なビジネスの信頼関係構築のためには、アサーティブ(相互尊重)が重要です。アサーティブコミュニケーションについて詳しくは、下記投稿をご参考ください。
傾聴のスキル
話すのが上手な人よりも、聴くのが上手な人が好かれると言葉があります。人は話を聞いてもらえると、自分に興味を持ってもらえると思い嬉しいものです。
悩みがあっても、聴いてもらえるだけでかなりの部分が解消されます。悩みの解決策の多くは、自分の中にあります。人に話すことによって、自分の中にある解決策が引き出されるのです。商談であれば、相手の悩みを聞き出すことができれば、信頼を得られることでしょう。
話を聞くにも3つ種類があります。①訊く(たずねる、問う、責める)②聞く(音声を耳で感じ取る)③聴く(相手が伝えたいことをありのままに理解する)特に3番目の聴くが、コミュニケーションスキルの中で重要です。
聴くとは、共感的な態度で聴くことです共感的な態度とは、相手の主観的な見方、感じ方、考え方を、その人と同じようにありのまま理解しようとする態度です。
共感的でないとは、批判的な態度、早合点な態度、評価的な態度(自分の価値基準で即座に判断)、調査的な態度、指示的な態度、迎合的な態度、同情的な態度のことです。
特に同情的な態度と共感的な態度は混同されがちです。共感的とは迎合することでなく、素直な心で聴くことです。
ビジネスコミュニケーションの場では、相手に話をさせ、情報を聞き出すことが、交渉における武器となります。
傾聴のスキルについては下記投稿もご参考ください。
論理的思考(ロジカルシンキング)のスキル
ビジネスコミュニケーションにおいて、複雑なものを整理し、シンプルにしていくロジカルシンキングが重要です。相手にわかりやすく論理的に説明するスキルによって、仕事の生産性が高まります。
ロジカルシンキングについては下記投稿もご参考ください。
コンテキスト思考のスキル
コンテキスト思考は、事実の裏側に潜んでいる背景、文脈、前後関係を読み解く思考法です。相手の発言にある背景の目的、現状認識、価値観を想像し、相手に対する理解を深めます。相手への理解は円滑なコミュニケーションと良好な関係性の源となります。
シナリオ策定(事前に話を想定する)のスキル
ビジネスコミュニケーションの生産性を上げるためには、事前にストーリーを組み立てておくことです。話す項目と内容について、あらかじめ準備しておくとスムーズです。
もちろん相手のあることですので、予想外の展開はありますので、ストーリーに固執しないようにします。ただ、面談の目的は意識したうえで、結果は出すようにします。
ビジネスコミュニケーションの事前準備
物事はすべてそうですが、事前の準備と段取りによって結果は大きく左右されます。しっかり事前準備することが、成功させるための秘訣なのです。ここではまず、ビジネスコミュニケーションの段取りについて述べます
相手のことを調べる。自らを知る。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という格言があります。彼とは、敵のことであり、己は味方のことをさします。
戦争にあたって、敵と味方のことを知ることの重要性を説いた格言です。
情報が重要だということは、昔から伝わる普遍的な事実です。
情報を調べるポイント
ビジネスの様々なシーンで相手先の情報を調べます。例えば採用面接、販売先への営業訪問、仕入れ先などの企業情報を事前に調べることによって、円滑なコミュニケーションが取れるようになります。
企業情報を調べないと相手にも伝わります。その場合、自分や自分の会社の評価を下げてしまいます。最低限のビジネスマナーといえます。
業界情報
業界全体の動向は、将来の成長性や自分の専門分野にも大きくかかわってきます。今は伸びていても将来にわたってはわからないものです。
例えば、昔は繊維鉄鋼がよかった時代があります。その後家電、商社、生命保険、銀行の業界が伸びました。いまはITと自動車が良いといった具合に時代ごとのトレンドがあります。
会社概要
経営者や経営理念、創業以来の歴史、社員数、営業所、工場などの拠点などを調べます。上場企業であれば、有価証券報告書などのIR(投資家向けの広報活動)をチェックします。
上場企業は、一般投資家向けに社内外の関係情報の提供が必要とされています。したがって、虚偽がないように詳細の情報の開示がされています。
非上場企業の場合は、ホームページなどによるインターネットを調べることになります。
インターネット以外での情報の収集の仕方としては、帝国データバンクなど調査会社から企業情報を入手する方法(有料ですが)があります。会社年鑑などを書籍で調べることもできます。
相手の人となり
何をするかよりも、誰とするかという言葉があります。ビジネスの成果は付き合う相手によって大きく左右されます。特に深く長く付き合う相手は選んでいく必要があります。
面接するとき、商談するとき、初対面の場合は、相手をしっかりと観察することが大事です。身だしなみ、立ち居振る舞い、発言内容に注意を払います。
逆を言えば、あなた自身もそのように観察されていることを忘れてはいけません。お金をかければよいというものではありませんが、清潔感は大事にしたいものです。
自らを知る
面接においても、商談においても自己を知ることは重要です。自分の、または自社の強みは何か?克服すべき課題はなにか、を意識することによって、相手に伝えるべきポイントが明確になります。
自己分析のやり方のひとつとして、会社であれば、会社の歴史、自分のことであれば、自分が歩んできた道のりを思い返しましょう。過去があってこそ、今現在の自分の存在があります。
自己分析はともすれば痛みを伴います。人は精神衛生上、自己評価を高くしてしまいがちです。
他人の意見は鏡といいます。自分に対して厳しい意見ほど素直に聞いてみることでしょう。
ビジネスコミュニケーションの研修
ビジネスコミュニケーションに求められるスキルや姿勢を学びます。プライベートとはまた違うプロとしてのマインドを認識します。言葉によらないコミュニケーションまでを含めたコミュニケーションのスキルを習得していただきます。
研修の目標
・「相互尊重」「相手の立場に立つ」、「相手に伝わって初めて成立する」ことを理解する。
・相手に好印象を与える事項を認識する。
・「傾聴のスキル」「質問力」「伝える」の3つのスキルを習得する。
・報連相の基礎を身に着ける
研修のプログラム
数時間研修から、承っています。 期間や予算、業種、職種によって柔軟にプログラム・カリキュラムを設計します。 詳しくは下記からお問い合わせください。
まとめ
事前に話を組み立てれば、相手のペースに巻き込まれず、ビジネスコミュニケーションの目的を果たすことができます。
そのうえで、傾聴のスキルを発揮すると、相手のことを理解したうえで、円滑な関係を生み出すことができます。
事前の組み立てと傾聴のスキルのバランスが、ビジネスコミュニケーション力向上の秘訣です。
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