組織・人事戦略と人材採用戦略のポイント

人事 キャリア

戦略は組織に従う(アンゾフ)。という言葉があります。経営戦略を実行するのは、組織であり人材です。いかに優れた戦略を立てても、実行部隊である組織が機能しないとうまくいきません。

組織人事は、経営戦略を実現し、事業を継続するうえで非常に大事な要素です。

必要な人材を定義し、採用育成するのが組織・人事戦略です。組織人事戦略の中で、まず採用戦略から見ていきましょう。

人材採用戦略

新卒採用

IBMを立て直したルイス・ガースナーは、新卒がトップになる企業はいい企業だと述べました。そして、新卒につぎの経営をたくしました。

ルイス・ガースナー自身は、著名なコンサルティング会社(マッキンゼー)を経て、様々な会社の経営を立て直した転職組です。

新卒は即戦力にはなりませんが、その企業の業界、特性、文化、強みなどを継承し、伸ばしていくのは、新卒の素直な白いキャンバスにキャリアの絵を描いていくのがやりやすいです。

もちろん、新卒の定義は大卒に限りません。高卒、高専卒、専門学校卒などすべての社会人1年生が当てはまります。

組織面で見ると、毎年一定数の新卒を採用することが、中長期的な年齢構成のバランスの上で大事になります。

新卒は職場で戦力になるのは3年かかります。社会人としての考え方、マナーなどを教育する必要があります。

中途採用

中途採用は様々なメリット、デメリットがあります。社会人としての基本姿勢やマナーがすでに習得されているのが前提です。

他での経験を生かして、転職先にない、スキルやノウハウの提供を期待できます。

特に、新規事業開発や事業承継など会社の変革時期においては、社内のやり方にこだわらない新しい発想を活用する有効な手段になります。

離職者の補填の場合も、近い経験をしていれば、教育にかかるコストと時間を節約する事ができます。

一方、既に何らかの事情で離職しているので、同じことを繰り返すリスクは新卒に比べて高いといえます。

組織面でいうと、ポジションや処遇面で社内融和に気を使わなければなりません。

人材育成と離職

企業の組織人事について、一番時間とコストがかかるのは人材の育成です。

上司や経営者、また関連する職場の人が人材の戦力化に多くの労力をかけます。戦力化した人材が、離職されゼロになる事の損失は、採用など顕在化したコストより、これまでかけた潜在化しているコストの方が大きいです。

また、人材の離職によって失われた戦力の補充にもコストがかかります。代替人材を充てなければならないのですが、もちろん都合よく同じスキル、知識をもった人材をすぐに補充するのは困難です。

よそから採用するにしても募集コスト(採用広告、手配の手間、面接などの人件費)がかかります。採用した後の教育コストがかかります。戦力化するまで業務が混乱したり、レベルが落ちたりすることも発生します、その間、売上や信頼が落ちてしまうのが最大の損失です。

人事・組織を考えていく場合、まずは離職を阻止する考え方があります。離職率を低く抑えることによって、採用コスト、教育育成コスト、担当者のノウハウが消滅することによる発生する業務ロスの発生を防止できます。離職率を抑えることは、繁栄し続ける企業の根幹となります。

成果報酬の営業職

一方、あえて離職率を高くても放置する場合があります。成果報酬の営業職です。成績連動給与の割合を高くして、基本給部分を低く抑え、売れなければ、退職していくケースです。

法律としては、地域ごとの最低賃金がありますので基本給を低く抑えるのは限界があります。

成績を挙げないと最低賃金クラスとしておけば、成績を挙げる工夫をするのか離職するかの選択肢になります。

営業成績だけがほしい企業には適しています。新規開拓だけをしてほしい企業にも向いています。

新規開拓した後は、別の担当が、保守メンテナンスや、継続取引のフォローをします。

これは、比較的ノウハウの蓄積や、顧客との信頼関係が重要になりますので、すぐに離職しない誠実なタイプを担当させます。

デメリットとしては、採用のコストがかかること、職場のスペースを確保しなければならないこと、営業教育が行き届かないために、クレームの発生することや、強引な新規開拓による企業のブランドが棄損するリスクがあることです。

求職者がこうした企業に採用されるのは比較的たやすいことが多いです。過去のなんらかの問題があっても、一念奮起して、数字さえあげてくれればよいわけですから。

再起をかけて、乗り越えて成長する方法もありますが、採用される側としては、やはりあえてこうしたいわゆるブラック企業を避けるのが賢明です。

選ぶとすれば、新卒の3年以内離職率が低い企業が、よいでしょう。ドラスティックな給与の上昇がない代わりに、長期スパンで人材を育成する企業が、永続する企業に多いのは事実です。

もちろん、社内で出世競争はあります。同期入社でも次第に年月がたてば選抜されることになります。

みんながトップに立つことはできませんが、一人一人が市場価値があり付加価値を生み出す人材となれば、ポジションが限られていても、平均給与は高い水準に保てます。

組織人事戦略と人事制度

長期間の育成には、高い付加価値を生み出す業務の在り方、人材の育成が必要になります。また、すべての社員が高いスキルと給与を求めているわけではありません。

自分の働き方、価値観にあったポジションと条件を提示できればよいわけです。

個人の希望と、成長、会社の付加価値とビジョン、以上の融合が人事戦略の最も大事な要素となります。

人材の成長が付加価値になり、業績向上へと結びつけるシナリオが、経営戦略と人事の最適化です。

中期経営計画と組織人事戦略

理想を言えば、中期経営計画と人事制度が連動していなければなりません。中期経営計画には、その企業がターゲットとする市場が記載されていなければなりません。

そのターゲット市場において、その企業がどのような強みや付加価値をもって、戦うかを決めていきます。その企業の強みや付加価値を生み出す基礎が人材です。

強みや付加価値を生み出す人材をどのように育てるのか、また採用していくのか、配置をどうするかが組織人事戦略です。組織人事戦略は人事制度によって具現化されます。

人事制度

評価制度、給与制度などの人材処遇制度です。評価制度によって。どのような人材を評価していくのか、また評価結果をどのように賃金に反映させていくかです。

評価制度は幅広く、別の原稿で述べます。

賃金制度には大きく、2つあります。一つ目は、月額固定給です。二つ目は賞与などの業績連動級です。

月額基本給は、企業にとっては固定費であると考えるべきでしょう。正社員の月額基本給は、従業員への不利益変更になりますので、むやみ減額することはできません。減額することが認められるのは以下の2点の場合です

業績悪化で事業継続が困難な場合

人件費以外の様々なコスト削減策を打ったが、資金繰りが厳しくなった時などの要件が必要になります。

評価制度や就業規則にルールとして明文化されている場合

可能な限り記録を取り、透明性や納得性を高めていく中で、人事制度として運用して必要があります。

まとめ

人材採用と人材育成は、企業の経営戦略、人事、組織のバランスと密接にかかわります。経営トップが最終的に責任をもって、判断すべきです。

一方、社内融和のためには、人材の採用育成の実務は現場のリーダーの意見は重視するとよいでしょう。

企業が繁栄して継続するために、組織人事戦略は根幹となるといえます。

プロフィール
顧客志向研究所
顧客志向経営研究所

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士です。
上場企業経営者から、中小企業、個人事業主に至るまで、数百の経営者の相談業務、ファシリテーション、社員教育の実績があります。
中立的な立場で、課題解決に役に立つ情報提供を行うことを理念としてます。

そのほかの主な経歴
・外資系生命保険株式会社に在籍し、顧客課題のヒアリングから法人契約営業近畿地区2位(キングオブキングス賞)

・MDRT(全世界74か国生命保険営業上位1%の成績基準達成)

・上場直前ベンチャー企業にて採用人事企画の経験

・上場コンサルティング会社での営業経験

・経営改善計画の策定経験(信用保証協会 バンクミーティング)

営業人材育成・人事分野から事業計画策定を得意としています。

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トップ営業による課題解決(中小企業診断士の観点から)

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